選挙 政局

前原・枝野、両氏いずれも信用できないシンプルな理由

これじゃあどっちが代表になっても…
長谷川 幸洋 プロフィール

わずか4年前、これほど明確に9条改正と自衛権の行使を認めておきながら、いまになってなぜ集団的自衛権の行使に反対するのか。「9条改訂に徹底的に戦う」などと言えるのか。自分自身が明言していた話なのだ。

現行9条を維持したうえで条文を追加し自衛隊の合憲化を唱えた枝野私案は、安倍晋三自民党総裁(首相)が5月3日に提案した改憲内容とも重なっている。個別的および集団的自衛権を明記する点は、むしろ安倍提案の先を行っているほどだ。

「流れ解散」が見えてきた

前原氏はどうかといえば、記者の質問に答える形で奇妙な説を唱えた。次のようなものだ。

「去年の代表選で憲法が交付された後に自衛隊ができた。したがって自衛隊というものを(憲法に)書き込むべきだという加憲の話をした。その考えに変化はない」「ただ、我々は安保法制に反対した。理由は憲法違反だからだ。したがって憲法違反の安保法制を前提として(憲法に)自衛隊を書くのは、憲法違反の安保法制を正当化させる意味をもつということだ。私は、その論にはまったく立たない」

安保法制を違憲と考えるのは、自衛隊を違憲とみているのも一因だろう。少なくとも日本共産党はそうだ。そうであるなら、自衛隊をしっかり合憲化すれば安保法制の根本問題はなくなる。

前原氏は自衛隊を憲法に書き込むべきだと思っているのだから、その根本問題を正したうえで、問題があるなら安保法制について議論すればいい。

前原氏はもともと憲法改正に賛成している。自身の2016年1月25日付ブログは「憲法改正は必要だ」と明言したうえで、こう記している(http://www.maehara21.com/kojitsu/憲法改正を考える/)。

「『平和を愛する諸国民の公正と信義に進退して、われらの安全と生存を保持しようと決意した』という(前文)はあまりに現実離れし、理想主義にすぎないか」「少なくとも(9条の)第2項は『読んで字のごとく』に見直すべきではないかと思います」

「読んで字のごとく」の意味は不明だが、9条2項の見直しが必要と訴えている。本心は憲法改正に賛成なのに、反対の体を保つために苦肉の言い訳をしているように聞こえる。そういう姿勢が有権者に信頼されないのだ。

いずれにせよ、両氏のいずれかが民進党の代表になるのは間違いだろう。そんな民進党に国民の支持が集まるかどうか。失敗すれば、いよいよ「流れ解散」が現実味を帯びてくる。