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どうも怪しい。私たちのボーナスが増えないのは一体なぜか

中堅所得層は激減した

今夏のボーナスは増えたか、減ったか?

まだ、公的なボーナス調査の統計データは発表されていない。限られた情報の中で、経団連の8月2日の発表では、2017年夏のボーナスは前年夏に比べて▲2.98%の減少となった。

2016年夏が同1.46%、2016年冬が前年比0.02%だから、次第にペースダウンして、遂にマイナスに転落したことがわかる。これらのアンケートは約半分が業績連動方式を導入しているから、企業収益の悪化に連動してボーナスが減ったと理解できる。

 

政府は今次景気拡大局面が戦後3番目の長さになったことを誇るのだが、それがボーナスなど家計所得と正確に連動している訳ではない。

ボーナスの減少のように、政府が景気拡大期と認定していても、企業収益が鈍化すれば、敏感に減少方向に転じるものもある。こうした要因が、多くの国民が感じている「景気実感の乏しさ」へとつながるのだろう。

多くの人は景気が良くなれば、ベースアップが進まなくても、業績連動でボーナスが増加して家計所得は増加するのではないかと思っているだろう。しかし、年収に占めるボーナスの割合は、一旦、リーマンショックで大きく落ちた後、上昇も鈍いままだ。

図1は、1990年のボーナス(賞与)と給与の水準を100として、その後25年間の推移を描いている。使っている統計は、国税庁の「民間給与実態統計」である。従業員1人の事業所を含めているので、前述の経団連のデータよりも範囲は広い。

直近値が2015年と遅いところは難点である。もしも、経団連のデータと同じようであれば、2016年は微増、2017年夏は前年比▲2.98%となり、2015年よりも2017年夏はボーナスの実額が減っていることになる。

財務省「法人企業統計」では2017年1‐3月の経常利益が過去最高を記録していることは平仄が合っていない。これは奇々怪々の動きだ。