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金融・投資・マーケット

ビットコイン分裂が示す、次の「仮想通貨バブル崩壊」

もともと乱高下しやすい「モノ」だから

通貨でないことを証明した分裂

代表的な仮想通貨のビットコイン(BTC)が8月1日夜(2日未明)に分裂して、新たな仮想通貨ビットコイン・キャッシュ(BCC)が誕生した。

ビットコイン取引所は、ビットコインと新コインを同量配布した。今回の騒動のために、日本仮想通貨事業者協会(JCBA)は混乱を避けるためという事由で、7月23日から、さらに再度8月1日からと2回も取引停止にして入出金を止めた。

金融インフラを考えるときに最も大事なのは、個人(一般投資家)の保護である。ビットコインのような仮想通貨は価格変動が非常に大きい。さらに、最近もみられたが、個別の取引所のシステムがトラブルで止まることがあり、今回のように2回も入出金を全体的に止めるなど、大きな疑問符が付く。

たとえば、米国のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)などの先物取引所は自己システムのトラブル以外は、何があっても市場を開け、決済を続ける。
 
大体、仮想通貨と「通貨」といっているところに問題がある。仮想通貨はいまだに誤解が多いが、法的に「通貨ではない」。改定資金決済法では「財産的価値」という定義になっている。さらに金融商品でもないので、金融商品取引法で救済されない。要は「モノ」なのである。

通貨とは、法的「通」用性のある「貨」幣のことであり、貨幣とは一般的な「お金」のことである。「仮想通貨」は、仮想貨幣と名乗る方が正確で、誤解がない。

現代の日本円や米ドルなどの通貨は、狭義にはそれぞれ(金や銀ではないが)日本銀行や連邦準備理事会(FRB)などの「中央銀行の信用」に支えられている。

 

個人に被害が出やすい

それに比べ、仮想通貨は裏打ちの無い「仕組みの信用」で成り立っている。さらに市場も小さい。そのため、過去でいうとチューリップバブルのように、まさにバブルになりやすく、乱高下しやすい。このような「相場物」のような動きは個人(一般投資家)に被害が出やすい。

実際、現在の世界的な量的金融緩和のなか、金融市場においてもカネ余り現象となり、ビットコインおよびそのほかの仮想通貨が“バブル”となっている。ビットコインの価格は年初から半年で3倍になったが、これは日本の投資家によるものといわれている。

このようなビットコインおよび他の仮想通貨等の類似商品については、米国を始めとした、日本以外の先進国が量的金融緩和からの転換(引締め)していく中で下落のリスクがある。

米国等の引締局面では、よく発生するものであるが、現在、新興国の通貨危機が懸念されている。同じ観点で、ビットコインをはじめ仮想通貨の危機も懸念される。新興国通貨以上に「裏打ちがない」という点ではさらに脆い。

これがマクロ的金融市場の問題であるが、金融はそもそも信用の織り成す仕組みであり、さらに、その仕組み自体にも問題があり、市場(相場)に悪影響を与える可能性がある。