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住宅ローン、安易に「変動金利型」を選ぶのはNGだった

住宅ローンを極める④

多くの人が、金利が安いからと変動金利型や固定期間選択型の固定期間の短いローンを利用している。たしかに、変動金利型なら金融機関によっては0.40%台から0.60%台で利用できるのに対して、全期間固定金利型はおおむね1%を少し上回る水準。金利優先なら、変動金利型が正解と思いがちだが、それは大きな間違いかもしれない。

実は、完済までの金利が確定していて、安心感のある全期間固定金利型でも、変動金利型並みか、中にはそれ以下の金利で借りられるローンがあるのだ。いずれ金利が上がれば、こんなことは考えられなくなる。

超低金利の今だからこその現象で、この時期に住宅取得を考えている人限定のチャンスといっていいだろう。

ほぼ半数の人が変動金利型を利用

住宅金融支援機構が民間住宅ローンを利用してマイホームを買った人たちを対象にした調査では、図表1にあるように、最近はほぼ5割前後の人が「変動型」の住宅ローンを利用している。

月によって若干の違いがあるとはいえ、変動金利型利用者が多数派で、完済までの金利が確定している「全期間固定型」の利用者は2割に届かないのが現実だ。なぜ、変動金利型を利用するのか。

その理由は明らかで、変動金利型の方が、金利が低いからだ。

2017年7月現在、メガバンクでは0.625%から利用可能で、ネット銀行などでは0.40%台もある。ほとんど利息なしで利用できるような環境だから、0%台の金利に目が向くのも当然だろう。

やはり住宅金融支援機構の調査で、住宅ローンを決めた理由として75.1%の人が「金利が低いこと」を挙げており、2位の「住宅・販売事業者に勧められたから」の18.6%を大きく上回り、断然のトップとなっている。

0%台で利用できる全期間固定金利型もある!

しかし、調べてみると、実は変動金利型より低い金利で利用できる全期間固定金利型ローンがあるのだ。それが、住宅金融支援機構が民間と提携して実施しているフラット35だ。

フラット35そのものの金利は、2017年7月現在、返済期間15年~20年が1.03%からで、21年~35年が1.09%となっている。なんだ、やっぱり変動金利型のほうが安いじゃないか。そう思うかも知れないが、実は、フラット35には当初の金利が安くなる各種の引下げ制度が実施されている。

これは、優良な住宅の供給を促進するためのもので、国の予算を使って、ということは私たちの税金から補てんして、金利が引下げられている。せっかくの制度を利用しない手はない。図表2をご覧いただきたい。

まず、長期優良住宅など基本性能の高い住宅については、当初5年間または10年間の金利が0.30%引き下げられる「フラット35S」がある。2017年10月からはこの金利引下げ幅が0.25%に縮小されるので、可能であれば9月末までに申し込むのが得策。

7月のフラット35の金利は1.09%だから、そこから0.30%差し引いた0.79%が適用金利になる。全期間固定金利型なのに当初の金利でみる限り、変動金利型と同様に0%台で利用できるのだ。

リノベーション物件なら0.49%で利用できる

フラット35というと新築購入が対象と思っているかもしれないが、それも誤解で、中古住宅にも利用可能だ。

中古住宅を取得して一定の基準を満たすリノベーションを実施した場合、あるいは一定水準を満たすリノベーションが行われた中古住宅を買う場合には、「フラット35リノベ」を利用できる。その金利引下げは、何と0.60%。1.09%から0.60%差し引いて0.49%で利用できることになる。

また、子育て支援や地域活性化に積極的に取り組んでいる自治体内で取得する場合には、当初5年間の金利が0.25%引き下げられる、「フラット35子育て支援型」「フラット35地域活性化型」もある。下げ幅は0.25%だが、この制度は先の「フラット35S」との併用が可能。

つまり、「フラット35子育て支援型」を利用できる自治体であれば、「フラット35子育て支援型」の0.25%と、「フラット35S」の0.30%を合わせて、当初5年間の引下げ幅は0.55%になる。7月現在の金利1.09%から0.55%を引いた0.54%の金利が適用されるわけだ。