介護

いま、後見人が親子の面会を禁止する驚愕のトラブルが続発中

そんな権限ないのに一体なぜ?
長谷川 学 プロフィール

前出の宮内氏が言う。

施設はむろん、後見人(保佐人、補助人も同様)に、実の子と母親の面会を制限する権限などありません。

『本人が会いたくないと言っている』と説明するのもよくあることですが、あるときは『本人は関係ない、後見人の指示だ』などと認知症を理由に本人の意思を軽視無視するにもかかわらず、別のときには『本人が嫌がっている』と本人の意思を引き合いに出すなど、チグハグ感極まりないケースがほとんどです

後見人は「絶対的な権力者」ではない

本来、認知症高齢者本人の生活を安定・充実させることが仕事であるはずの、後見人や高齢者施設。ところが、それが公平中立であるはずの立場を見失い、家族トラブルの一方に加担してしまう。

「施設としては、直接入居の段取りをした子どもを『顧客』と見なして、その要望に応えざるを得ないのでは」と感じる方もいるかもしれないが、一歩引いて冷静に考えてみれば、それでは「おカネを出して人に頼めば、親子の面会を妨害できる」ということになってしまうのがおわかりいただけるだろう。

 

そして何より問題なのは、一般の我々だけでなく、裁判所が選んだ専門家たる弁護士や司法書士、高齢者福祉のプロであるはずの施設運営者の中にも、「後見人の判断」という看板さえあれば、法的な根拠もなく親子の面会さえ制限できると誤解している人が、数多くいるという現実があることだ。

成年後見制度が、まだ比較的新しい制度であるとはいえ、こうした問題点を関係する業界で共有し、注意を促すおおやけの努力は、まだまだ不足しているように見える。

(つづく)