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企業・経営

「ミクシィ」社長が守っている「ヒットを生む二つのルール」

コツは、たくさん打席に立つこと

アプリ運営企業大手のミクシィを取材した。SNS「mixi」を世に出したのは'04年のこと。その後、Facebook等に押されたが、'13年にスマホゲーム「モンスターストライク」をリリースすると、1年以上App Storeの売り上げ1位を独占する大ヒットを記録。現在は写真共有アプリ等も好評を博し、再び快進撃を開始している。

社長は'14年に就任した森田仁基氏(41歳)。一時期は無職も経験し、IT社長と呼ばれると「勘弁してください」とはにかむ異色の青年社長だ。

株式会社ミクシィの森田仁基社長

「ひとりぼっち」では、つまらない

【理由】

大ヒットするアプリは、どこかで「知りたい」「つながりたい」といった人間の根源的な欲求を満たしています。なかでも我々が得意とするのは「mixi」のように「他人とコミュニケーションをとりたい」という思いを叶えることです。

実は「モンスターストライク」も同様で、ただ遊ぶのでなく、学校や会社の仲間と協力して強敵に立ち向かうから面白い。学生が集まっているのに、会話もなくそれぞれスマホをいじっている場面ってありますよね。モンストは「これじゃ寂しい」「逆にスマホを媒介にコミュニケーションをとってほしい」という思いがあって開発したゲームです。

我々はアプリを制作するとき「新たな文化を創ろう」と考えています。だから時に大ヒットを飛ばすことができるのでしょう。

【青年期】

回り道をしてきました。勉強でも部活でも「なぜこれをやる必要があるのか」と納得しなければ手をつけられない性格で、悪いことに就職活動の時に「私は何がしたいのか」と疑問を持ってしまったのです。結局、面接などにも本気になれず、内定がないまま卒業し、しばらく引きこもり状態でした。しかし、どん底まで落ちると「やらなきゃ!」という思いが湧いてきて、地元・八王子の小さなIT企業に、派遣社員として勤め始めたのです。

 

すると水が合ったのか、覚悟が決まっていたためか、いつか悩みはなくなり仕事に夢中になっていました。社員になり、どんどん新しい仕事を任され、次第に働くことが面白くてたまらなくなってきました。

その後上場も経験し、これらの刺激もあってミクシィに転職したんです。学生時代、もし自分に嘘をついて納得できないまま就活していたら、今どうなっていたかわかりません。

【非凡】

私「IT業界の社長」などと言われるのがおこがましくて。好物は地元の「八王子ラーメン」ですし、家族サービスに使う店は近所の焼き肉屋さん、時計はアナログが好きです。

ちょっとした悩みは、ブログやSNSで何か発信しないと「IT社長のくせにネットに疎い」と言われるので、じゃあ、と発信すれば「ちゃんと働け」と言われることです。非凡なのは私ではなく、会社の文化です。

当社はmixiの利用者が減り、このままではまずい、という状況でモンストを開発しています。今までになかったコンセプトのゲームだったため、思い切った選択でした。しかしこれが、新たな文化の創造に結びついています。だから当社社員は皆「最も大胆な選択肢こそやるべきだ」と知っているのです。