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防衛・安全保障

「戦艦大和」の中で贅沢三昧!? 艦内ではフルコースあり、買物付き!

「みんなの憧れ」もうなずけます

アイスクリームも食べられた

「世界最大・最強」と謳われ、各国に日本の造艦技術の高さを知らしめた戦艦大和。全長263mの巨大戦艦を象徴するのは、甲板に装備された46センチ口径の三連装主砲である。

そんな大和だが、艦内のこだわりにも抜かりがなかった。

 

まず、艦内は冷暖房が完備。ほとんどの兵に、ハンモックではなくベッドが用意され、昼夜を快適に過ごすことができた。昼ごはんはスープに始まりサラダ、肉か魚料理に食後の珈琲までつくフルコース。停泊中は釣りを楽しんだり、映画の上映会があったりと、戦艦とは思えない充実ぶり。当時の兵士は「大和ホテル」と呼んでいたほどである。

1942年、日本軍はガダルカナル島で激しい攻防戦を繰り広げていた。そのころ、大和は委任統治領となっていたトラック諸島に停泊。船員は上陸し、安全な地区で猟や買い物を楽しんだ。ガダルカナル島の激戦をよそに、大和の船員はまるで「保養地」にいるかのような生活をしていたのだ。

これだけの贅沢な設備に加えて、さらに驚くべきなのは、ラムネの製造機があったこと。各分隊の兵が、交代で製造を補助していたのだ。言わずもがな、戦時中甘いものは貴重品だ。それでも、暑く塩辛い風が吹く南方を長旅する船員に、甘みと清涼感が強いラムネは大人気。船内で販売されるやバカ売れした。

ラムネに加えて、大和ではアイスクリームも作られていたという。実は、大和には冷凍室があり、これを有効活用してアイスクリームを作っていたのだ。

南方戦線に向かう戦艦のなかには、大和と同様にラムネやアイスクリームを作ることができる設備を備えていたものがほかにもあった。このことに喜んだのは、日本の戦艦を接収した米国海軍である。米軍は「アイスクリーム戦艦」を作るほどのアイス好き。日本から接収した機材でアイスを製造したのだった。

1945年、わずか2時間の戦闘であえなく撃沈されてしまった大和は、皮肉にもそうはならなかったのだが。(嶋)

戦艦大和 生還者たちの証言から

『週刊現代』2017年8月19・26日号より