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政治政策 経済・財政

自民・二階幹事長の「財政出動10兆円構想」は実現可能か?

もちろん財務省は黙っていないが…

財政拡張は悪手ではない

都議選の大敗や稲田朋美防衛相の辞任などでやや失速気味の自民党。そんななか、党内ではアベノミクス路線を改めて強調する動きが強まっている。

自民党の二階俊博幹事長は自身の派閥の研修会で、「現状の日本経済はいまだにデフレから脱却できていない」と強調。そのうえで「10兆円程度の大型補正予算を編成する必要がある」などと宣言し、今後もアベノミクスを続行していくべきだとの姿勢を崩さなかった。

2ケタ規模の補正予算ともなると気が気でないのは財務省で、なんとか食い止めようと働きかけてくることは想像に難くない。はたして二階幹事長のプランの可能性はいかほどなのか。

実は、この時期に改めて財政拡張を行うのは決して悪手ではない。そのことを裏付ける指標がある。GDPギャップと呼ばれるものがそれだ。

GDPギャップとは、その国の経済が持っている供給力(潜在GDP)と現実の需要との間にある乖離のことだ。潜在GDPは完全雇用などの状況を前提にして推計されるもので、このギャップがプラスのときは好景気または景気過熱、マイナスのときは不況と判断される。

内閣府は、このGDPギャップについて、'17年1-3月期ではプラス0.1%としている。つまり、日本はいま好景気に差し掛かろうとしてはいるのだが、実は「もう安心」と判断するのは早合点で、経済政策の観点からはまだまだ「不十分」なのである。

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