中国

スマホ国家・中国で起きた「サイバー三河屋」大暴動の顛末

刃物、棍棒、大乱闘!
安田 峰俊 プロフィール

ライバル社の配達員と「仁義なき闘い」

ライバル社の配達員同士の武力衝突も数多く報じられている。特に多いのは、業界1位でスマート出前対応店舗の約56%を独占的に握る「美団外売」と、従来の業界1位だったのが美団外売に抜かされて対応店舗の独占シェア率も約20%に下がってしまった「餓了么」とのバトルだ。

「サイバー三河屋」各社配達員が揃い踏み。中央が「餓了么」、左奥が「美団外売」、右手前は他の業者である。広東省深圳市内で筆者撮影

中国のネット上では、それぞれの配達員の制服の色から、「美団」は黄色軍団、「餓了么」は青色軍団とも呼び慣わされている。彼らの血で血を洗うブレイブストーリーの一部を以下に紹介しよう。

【2014年9月25日】
黄色配達員の董小平さんが重慶市内の四川美術学院にスマート出前を届けに行ったところ、特にこれといった理由もなく青の配達員2人から襲撃されて負傷した。同年7月7日に同市内で、黄色側が30人を集めて青3人をボコボコにする事件があったことや、その後に吉林省長春市で黄色3人が青1人をしばき倒した事件があったため、その報復ではないかと見られている。

【2016年7月15日】
北京のサイバーシティ・中関村の路上で、青配達員が路上に停めてあった黄色の出前バイクに衝突したことで双方の言い争いが発生。やがて現場から立ち去ろうとした青のバイクに、黄色が往年の香港映画さながらのアクションでむしゃぶりついたところ、コントロールを失ったバイクがガードレールに激突して双方が路上に投げ出されることとなる。

ちょうどお昼どきで周囲には黄色・青双方の配達員が大勢おり、闘いの予兆を嗅ぎつけて次々と現場に集結。数十人が対峙して一触即発の事態となったが、さすがに首都の北京であるだけに警官の介入で事なきを得た。

北京の電脳街で対峙する黄色軍団(奥)と青軍団(手前)

【2017年7月14日】
午後4時ごろ、湖北省武漢市の漢口駅前で黄色の劉さんと青色の史さんが出前バイクの停車位置をめぐり殴り合いのケンカに。やがて仲間6人を呼び集めた史さん側が劉さんほか1人をどつき回して軽傷を与えた。

【2017年7月28日】
午後7時ごろ、黄色の呉さんと青の肖さんが出前の取り違えをめぐってトラブルになり、間もなく黄色側と青側の合計40人あまりによるストリートファイトに発展。双方に6人の怪我人が出た。

これ以外にも青と黄色の衝突は日常茶飯事で発生している。騒ぎが起きた際に一気に仲間がワラワラと集ってくるのは、前出のガードマンとのバトルと同じく、彼らがスマホのチャットグループを使って救援を呼びかけるせいだろう。