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退職前のサラリーマンを襲う「役職定年」実はこんなに怖い

いまから準備しておいたほうがいい
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プライドを捨てられるか

もちろん、役職定年になったすべての人が不幸になるわけではない。むしろ、そこで無駄なプライドを捨てて、新たなモチベーションを発見することで、人生を再出発できるいい機会と考えることもできる。

人材育成支援会社、人財プロマッシー代表の増島和彦氏は、日産自動車でキャリアを積んだ後、人材育成のプロとして独立した。増島氏が語る。

「私は'74年に入社し、海外畑を中心に働いてきましたが、'99年にカルロス・ゴーンが登場し、仕事や組織も抜本的に見直されました。51歳の時に当時のフランス人役員から『日産の外でキャリア開発をしたほうがいい』と引導を渡されました。

 

ラッキーだったのは、人事担当役員が私に興味を持ってくれ、社内異動できたことです。日産の部長の役職定年は55歳で、私もその時点でラインを外れましたが、新たに人材開発部シニアインストラクターとして再スタートを切りました。

もちろん、普通の管理職と比べると収入は低くなります。でも、せっかく人事部門に席を移した以上、人材育成のプロになりたいとコーチング関係の資格も取得しました。結局、62歳まで日産に勤め、現在はノウハウを活かして独立・起業しています」

カルロス・ゴーンPhoto by GettyImages カルロス・ゴーン

そして、増島氏はこう続ける。

「組織の新陳代謝を促すために、役職定年自体は悪い制度ではないと思います。ただ、制度の運用の仕方に問題がある。

私のように役職定年をポジティブな転換点として捉える人は少ないと思うんです。だから、会社側が役職定年者に対して、もっと積極的に働きかけていかないといけない。

企業は原則的に65歳まで雇用する義務があります。そうなると、役職定年してから会社人生は約10年もある。

その間、愚痴をこぼしながらネガティブに生きていくより、自分の強みを見つけてそれを活かしたほうがいい。長い間働いてきたのですから、絶対に何らかの強みはあるはずです」

役職定年の日を漫然と待つか、それとも動き出すか。それが人生の終盤戦を大きく左右する。