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フジテレビはいつまで「内輪ノリ」を続けるつもりか

ギョーカイの仲間意識はもうたくさん

不振がつづくフジテレビ

6月末をもって、フジテレビの亀山千広社長が退任した。同時に、日枝久会長もその座を降りた。

その理由は視聴率の低迷だ。

過去にトレンディドラマや映画事業で多くのヒットをとばしてきた亀山氏は、視聴率の回復を期待されて2013年6月に社長に就任した。その間、全社員3分の2にあたる約1000人の人事異動や長寿番組の終了など大胆に手腕を奮ったが、結局建て直すことはできなかった。

他の民放局と異なり、フジテレビがこれほど注目されるのは、80年代から90年代にかけての鮮烈かつ斬新なイメージがあるからだ。

『オレたちひょうきん族』を起点とするバラエティ番組やトレンディドラマがそうだ。それは、視聴率という数字だけでは説明できない、新たなテレビ表現を構築したイノベーターとしての成果だった。

毎年正月、NHKでは『新春テレビ放談』という番組が放送される。各局のテレビマンが集まり、局の垣根を超えてテレビについて議論する内容だ。そこでここ数年かならず話題に上がるのが、フジテレビの不振だ。

現在一線で活躍するテレビマンは、フジテレビの番組に影響を受けて業界に入ってきた者が多い。それだけに、局が異なってもフジテレビの窮状を心配している。

1974年生まれの筆者も、幼い頃からフジテレビの番組を当たり前のように観て育った。テレビっ子ではなかったが、80年代の小中学校時代は、ポップカルチャーの中心に、『週刊少年ジャンプ』やファミコンとともにフジテレビがあったという印象だ。

2012年の秋には、『週刊フジテレビ批評』に呼ばれたので出演もした。そのときに強調したのは、“フジテレビイズム”=「楽しくなければテレビじゃない」をいま体現しているのは、むしろテレビ東京だということだった(「若者カルチャーとテレビの存在」 - 『週刊フジテレビ批評』)。

それから5年──。

 

残念ながら、その私の認識は変わっていないばかりか、強まるばかりだ。テレビ東京がその後も自由なチャレンジを繰り広げて結果を出しているのに対し、フジテレビはなかなか打開策を打ち出せていない。

こうしたフジテレビの凋落をまたひとつ強く印象づけた番組があった。それが、昨年末の『SMAP×SMAP』最終回だ。SMAP5人が揃って出演する唯一のテレビ番組として21年間続いていたが、解散とともに幕を閉じた。

詳しくはそのときに書いた記事に譲るが、要はあのようなSMAPの謝罪会見を見せ、挙句のはてに葬式のようなエンディングを見せてしまったことに、まったくもってフジテレビは無自覚だった(「地上波テレビの葬送曲となった『世界に一つだけの花』」)。

NetflixやAmazonプライムビデオなど、動画配信サービスが順調に浸透していく時代において、それは地上波テレビ放送がポップカルチャーの中心であることの終焉を露わにした瞬間だった。