選挙 政局

自民党・次期都連会長をめぐる「泥沼レース」その内幕

丸川かあるいは…リーク合戦も

「壊滅的」と言える敗北から、この組織はいったいどう立ち直るつもりなのか。

7月2日投開票の東京都議選で、57議席から23議席まで減らし、過去最低を割り込んだ自民党。大敗を受け、下村博文都連会長は辞意を表明。その後、都連会長のポストは未だに空席のままだ。実は、後任人事を巡り、水面下で争いが起きている。

ドンの「思惑」と暗黙のルール

後任レースで、まっさきに名前があがったのは、丸川珠代・五輪相だ。

「丸川は女性で、知名度もある。小池都知事の人気が落ちた時に対抗馬となり得る」

「都議会のドン」こと内田茂・前都議が周囲にそう伝え、丸川珠代五輪相を都連会長に推しているという。内田氏は小池都知事に目の敵にされたことで失った求心力の回復を、丸川の後ろ盾となることで狙っているようだ。「負けたままで終われない」と周囲に漏らし、小池知事追い落とし策を熟考しているという。
 
それでも素直に「丸川会長」とならないのは、平将明議員や山田美樹議員、朝日健太郎参議院議員ら5名の東京選出の自民党衆参議員が、「後任会長は開かれた形で選ぶことを望む。選考過程をオープンにすることで『都連は変わった』と分かるようにすべき」との要望書を下村氏宛てに提出したからだ。

平氏らにも狙いがあった。石破茂元幹事長の側近で、日本新党に所属していた鴨下一郎元環境相を擁立し、小池百合子知事との対話を優先させたい方針のようだ。丸川氏が選ばれれば、小池都知事と都議会自民党は対決ムードになること間違いなし。それは避けるべきだ、という勢力もいるのである。

 

「その他、都連会長の座を狙う者として、平沢勝栄議員、中川雅治参議院議員の名前があがっている。しかし、都連会長には『大臣経験者が就く』という暗黙のルールがあり、平沢氏、中川氏はこれを満たしていない。

となれば丸川対鴨下のマッチレースとなるが、都民ファーストの会が国政進出を視野に入れている今、公明党との関係修復も早急にせねばならず、内部で抗争をしているように見られるとイメージが悪い」(若手国会議員)

これまで同様、密室で全てを決めたい内田氏らと、地方議員や党員を加えたオープンな形で会長選出を模索している若手・中堅議員。一見、「小池vs.ドン・内田」の構図を引きずった戦いだが、根はもっと深い。安倍政権内部で、小池都知事との距離感が異なることが、事態を複雑化させているのだ。

安倍晋三総理や二階俊博幹事長は、実は小池都知事に対して友好的だ。安倍首相は小泉政権の時に小池都知事と苦楽を共にした経験を持つ。一方、菅義偉官房長官や萩生田光一官房副長官は小池知事を「不倶戴天の敵」と見なしている。

「安倍総理は『会長は鴨下さんでいいじゃないか』と語っているが、菅さんたちからすれば、小池知事に近い鴨下氏が会長になることが気に食わない。さらに、鴨下氏は石破氏と関係が近いことも懸念のひとつ。

というのも、石破氏は小池氏を『姉さん』と呼ぶほどの仲で、菅長官たちは、鴨下会長となると、『東京都が石破氏の支持基盤となってしまう』との危機感を有している。次の都連会長には『ドン対小池氏』に加えて『石破派対官邸』の構図も複雑に重なっている」(前述の議員)