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加計問題を追及するマスコミの「倒閣ありき」に異議アリ!

「加計ありき」と騒いでいるが

野党とメディアの「真の狙い」

加計学園問題はなぜ、これほど揉めているのか。野党や左派系メディアは「加計ありき」疑惑の解明を叫んでいるが、私に言わせれば「バカバカしい」の一言に尽きる。そんな疑惑はとっくに解明されている。彼らの真の狙いは別にあるのだ。

そもそも獣医学部新設の目的はなんだったか。不足している公務員獣医師の養成(とりわけ四国地域)、先端的な生命科学の研究と教育、鳥インフルエンザや口蹄疫など感染症対策の強化、教育水準の向上などだった。

既存の獣医学部が抱えている欠陥については、6月30日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52172で書いたように、文部科学省が設置した「獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」が2011年3月時点で、すでに次のように指摘していた(http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2011/05/23/1306202_01.pdf)。

1、最低限共通的に教育すべき内容を十分に教育できていない大学がある。

2、新たな分野(獣医疫学、動物行動治療学等)への対応が十分取れていない。

3、将来のキャリアと学びを関連付ける教育に課題がある。

4、獣医師として求められる実践的な力を育む教育(実習科目や応用系・臨床系の講義科目等)に課題がある。

5、大学ごとの分析として獣医師養成課程の規模の小さい大学に課題が多い。

つまり、文科省は既存16大学の問題点を早くから認識していた。獣医学部を卒業して国家試験をパスしても、新米の獣医師は動物の体温すら満足に測れない、というウソのような本当の話もあるほどだ。これが議論の出発点である。

 

問題は欠陥だらけの獣医学教育をどう改めるか、だった。

先の調査研究協力者会議は既存の16大学体制に手をつけないことを前提に、共同学部の設置やコアカリキュラムの見直し、共用試験の導入などを提言した。日本獣医師会も学部新設に猛反対した。文科省の方針はこうした路線をそのまま踏襲している。

これに対して、安倍晋三政権の国家戦略特区や規制改革を担う有識者たちは「大学間の競争による教育・研究水準の向上」を目指した。大学でも企業でも、競争こそが研究開発や提供するサービスの品質を高め、事業や教育を活性化させる。私もそう考える。

競争なきところには、怠惰な退廃が残るだけだ。既存の体制を温存したまま補助金をばら撒いても、無駄遣いが続いて大きな効果は望めない。それは現実が実証していた。

本来は大学合計で930人と決められた定員が1200人に水増しされ、文科省がそれを黙認していた件も「獣医学業界」のデタラメぶりを象徴している。教育水準を高めようとするなら定員を守らせるのが当然なのに、文科省は逆行を許していたのだ。

なぜ定員を水増ししていたか。大学の収入が増えるからだ。かつ、なぜ学部新設に反対したか。獣医学部の競争率は近年、平均15倍に達していた。学部を増やせば当然、1学部当たりの競争率は下がる。それは1学部当たりの受験者減少=受験料減少を意味する。

大学関係者ならだれでも知っているが、毎年の受験料収入は大学の収入の大きな部分を占めている。獣医学部が新設され、受験者がそちらに移ってしまったら、自分の大学に来る受験者数が減って大変な収入減になってしまう。それを恐れた。

ようするに、獣医師会と既存の大学は研究教育体制の欠陥を認識していながら、実際には定員水増しと新規参入を阻むことで自分たちの既得権益を守ろうとしていたのである。