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ゼロからわかる「薬物依存症」〜私たちがいまだに誤解していること

安心して「やめられない」といえる社会へ
松本 俊彦 プロフィール
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安心して「やめられない」といえる社会

「ネズミの楽園」実験には続きがあります。

アレクサンダー博士らは、檻の中でモルヒネ水ばかりを飲んでは酔っ払っていた植民地ネズミを、今度は、楽園ネズミのいる広場へと移したのです。すると、彼らは、広場の中で楽園ネズミたちとじゃれ合い、遊び、交流するようになりました。

それだけではありません。驚いたことに、檻の中ですっかりモルヒネ漬けになっていた彼らが、けいれんなど、モルヒネの離脱症状を呈しながらも、いつしかモルヒネ水ではなく、普通の水を飲むようになったのです。

この実験結果が暗示しているものは、一体何なのでしょうか。

 

私はこう考えています。それは、薬物依存症から回復しやすい環境とは、「薬物がやめられない」と発言しても、排除もされなければ孤立を強いられることもない社会、むしろその発言を回復の第一歩と見なし、応援してもらえる社会であるということです。

一言でいいましょう。

それは、安心して「やめられない」といえる社会なのです。

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