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防衛・安全保障 国際・外交

米中ロ「新ヤルタ会談」で、北朝鮮崩壊の引き金がひかれる可能性

その日は、まもなくやって来る

「鉄砲玉」の勝手を中ロは許さない

先週は北朝鮮情勢をめぐって、プーチン・ロシア大統領のしたたかさとトランプ米大統領の手詰まりを指摘した。今週はその続きを書こう。朝鮮半島はどうなるのか。大胆に見通しを言えば、中国を加えた米中ロによる密謀が進む可能性がある。

先の大戦の後、旧ソ連の後押しで誕生した北朝鮮という国はそもそも、なぜこれまで生き延びられてきたのか。それは、米国の圧力にさらされたソ連や中国が、それぞれ自国の「緩衝材」として北朝鮮に利用価値を見出してきたからだ。

 

ソ連や中国が敵(たとえば米国)に攻められたとき、北朝鮮は身代わりの戦場となって敵の侵攻を食い止める。いざとなったら、北朝鮮が中ソの鉄砲玉となって突撃する。そんな役割である。

ところが、いま北朝鮮は中ロの制止を振り切って、核とミサイルの開発にまい進している。そんなふるまいは、中ロから見れば「子分が親分の言うことを聞かず、勝手に怖い飛び道具を手に入れようとしている」ようなものだ。

中ロにしてみれば、緩衝材に仕立てた国が「オレはもうお前の言いなりになる子分じゃない。自分の運命は自分で決める」と言い出したも同然なのだ。こんな北朝鮮を中ロは容認できるか。できない。なぜか。

核ミサイルを手にしたら、北の照準はソウルと東京、ワシントンに向くとは限らない。その気になれば、北京とモスクワだって狙えるのだ。大国は常に最悪の事態を想定して行動する。つまり、潜在的に北朝鮮は中ロにとっても脅威になる。

根拠もなしに「金正恩はオレを狙うことはない」などと信じるほど、プーチンや習近平は甘くない。彼らが北朝鮮の核とミサイル開発に反対してきたのは、それが最大の理由である。一方、米国が容認できないのは言うまでもない。

ちなみに、日本の左派リベラルの中には「北朝鮮が狙っているのは米国、なぜ日本にミサイルが落ちるのか、政府は説明なしに『危機に備えよ』と煽っている」などと言う向きもある(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017071902000135.html)。あれほど日本海にミサイルが落ちても危機と思わないのだろうか。

この調子だと、日本の領土、領海にミサイルが撃ち込まれても、きっと「単なる手違い」とでも言うのだろう。朝日新聞の社説にそんな話があったらしい。まったくおめでたすぎて、話にならない。