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稲田防衛相の「隠ぺい疑惑」はなぜ暴露された?情けなさすぎる真相

~「極秘会議」の中身が漏れるなんて

暴露した「政府関係者」の意図

南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊の日報問題で、稲田朋美防衛相の虚偽答弁疑惑が急浮上した。日報を保管していた事実を非公表とすることを決めた、防衛省最高幹部による会議に出席しながら、国会では「報告はされなかった」と答弁していたと、複数の報道機関が伝えた。

内閣改造を8月に控え、問題発言が続いた稲田氏は退任が確実視されている。「安倍首相のお気に入り」という神通力は消え失せ、政府関係者から会議出席の事実を暴露される結果になった。

奇妙なのは、稲田氏が、元福岡高検検事長がトップを務める防衛監察本部に「調査を命じた」と国会で答弁し、今年3月に実際に監察を命じていたことだ。

 

2007年に防衛省の内部調査機関である防衛監察本部が設置されてから、防衛監察はこれまで3回行われた。いずれも緻密な調査によって、問題点が明らかにされている。

稲田氏が「罪」を犯しているならば、この調査命令は天にツバする行為に等しいが、自身の関与がバレないと本気で思ったのだろうか。

稲田氏は監察結果について「中間報告を含め検討する」と話していたが、内閣改造までに中間報告が出る保障はない。「それでは納得がいかない」とする政府関係者がいなければ、会議出席の事実が暴露されることはなかったかもしれない。

もっとも稲田氏は19日、「隠蔽を了承したとか、非公表を了承したとかいう事実は全くありません」と否定。「2月に(日報の非公表を決めた)会議があったか」との質問には答えないまま、足早に省内に入った。

隠蔽工作を目の当たりにしながら…

新聞報道だけでは詳細が分かりにくいので、改めて、日報をめぐる一連の流れを確認しておきたい。

防衛省は昨年12月、陸上自衛隊の部隊がまとめた日報の情報公開請求に対し、廃棄して存在しないことを理由に不開示とした。だが、同じ月のうちに別組織の統合幕僚監部に保管されていた事実が判明、今年2月になって開示した。

ところが、実は日報は今年1月、陸上自衛隊でも見つかっていた。これを受けて、防衛省の最高幹部による緊急会議が2月15日、稲田氏のほか、黒江哲郎事務次官、豊田硬(かたし)官房長、岡部俊哉陸上幕僚長らが出席して開かれた。