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マーケットが最も警戒する「安倍一強」瓦解というリスク

国民は政権の失点を見逃さない

都議選で見えた4つのこと

7月2日に投票が行われた東京都議選は、国政選挙並みの注目を集めたが、小池百合子知事率いる都民ファーストの会が大勝し、自民党は歴史的な大敗を喫した。

その後に発表された安倍政権に対する支持率の世論調査では、複数メディアの調査で、内閣支持率が軒並み低下して、不支持と逆転しており、安倍首相に関して多くの調査対象者が「信頼できない」と回答している。

ここ数年、海外の多くの国で政権が不安定化する中で、わが国の政権は安定し、「安倍一強」とも言われる政治状況が続いて来たが、にわかに今後の政治の展開が気になる状況が現れた。

都議選の結果を見て分かったことは、主に、以下の4つだ。

 

(1) 国民は、「加計学園問題」などの安倍政権の失点に対して厳しい目を向けている。

(2) 与党に対する批判票は適当な「受け皿」(今回は都民ファーストの会)があれば大きく動く。

(3) 公明党と協力が得られない場合の自民党は選挙に強くない。

(4) 民進党(改選前7議席→5議席に2減)は政権批判の受け皿として全く機能しておらず、党勢退潮が顕著である。

自民党対都民ファーストが注目された都議選だが、その時の「風」で大きく勢力が入れ替わりそうな両勢力の勝負を別とすると、地味ではあるが、本当の勝者は公明党で、救いの無い敗者は民進党だったとも言えよう。

特に、民主党政権時代の記憶に直結する蓮舫代表、野田幹事長の体制で、今後民進党に上がり目があるとは思えない。同党は「政治マーケティング」的に見て、全くヤル気があるように思えない。このままでは、消滅ないし分裂に向かうのではないだろうか。

これまで、国民の脳裏に「民主党政権時代はひどかった」という記憶が強くあり、選挙に負けない状況で公認権と人事権を掌握していることが「安倍一強」体制を支えていた。蓮舫・野田体制の継続を望んでいるのは、誰よりも安倍首相だろう。

しかし、民進党以外の批判の受け皿が提供されれば、政権への批判票が大きく動くことが分かった。今後、小池百合子氏サイドからの動きも出てこようし、自民党内でも安倍首相に距離を置く勢力の動きが活発になるだろう。

安倍晋三と小池百合子〔PHOTO〕gettyimages