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海老蔵親子の「宙乗り」に大喝采! 歌舞伎の本質がここにある

「現実の家族」と「虚構の舞台」の融合
中川 右介 プロフィール

結婚直後に海老蔵は事件に巻き込まれ、それを乗り越える物語があり、長女の誕生、父・團十郎の死、長男の誕生、それぞれの初お目見得と、物語は続いた。

そして予期せぬ悲劇が襲い、この物語も当初にはない展開をしていった。

その家族の物語と並行して、海老蔵は舞台に出続けていた。

そして7月――現実の家族の物語と、虚構である歌舞伎とが、歌舞伎座の舞台で融合した。

ここに現代のメディアと役者と観客との関係が凝縮されていた。

誰もがあの4歳の男の子のことを知っているのは、メディアが連日報じたからだ。いまや、まっさらな気持ちで芝居をみることなど不可能なのだ。

そして、興行はその前提でつくられていく。

それは歌舞伎ですら免れない。むしろ、近代演劇というガチガチの枠組みからある意味で自由な歌舞伎こそが、より新しいメディアに対応し、そのなかで生きているようだ。

若い俳優の多くがブログを開設し、好き勝手なことを書いている。それを率先しているのが、名門中の名門、市川宗家の海老蔵なのだ。

常に新しいメディアに乗ることこそが、歌舞伎が続いている理由でもあるのだろう。

歌舞伎一年生チケットはどうやって買うの?どの席で見る?など、実践的な入門書。見れば見るほど楽しくなる歌舞伎への第一歩を!