〔PHOTO〕gettyimages
不正・事件・犯罪 ドイツ

悪夢のような集団が街を破壊…G20サミットの「地獄絵図」

~日本メディアが報じなかった現実

「黒い塊」の恐怖

まずは、ドイツシュピーゲル誌のオンライン・ビデオをご覧いただきたい。7月7日、8日にハンブルクで開催されたG20サミットを巡って起きた暴動の映像だ。

先週のこのコラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52225)で、サミット前夜、極左の抗議デモが暴走しかかっている不穏な雰囲気を報告したが、その懸念がまさに現実となった。

http://www.spiegel.de/video/g20-gipfel-in-hamburg-chronologie-der-ereignisse-video-1780864.html

3分30秒あたりに、黒装束の活動家たちが堂々と車に火をつけていく様子が写っている。衝撃的なのはそれに続くシーン(3分45秒あたり)で、バスの乗客がスマホで撮影したもの。

前方からやってきたデモ隊を通すためにバスは停車しているのだが、デモ隊が近づくにつれて、それがブラック・ブロック(黒い塊)と呼ばれている、覆面をした人間たちであることに気づく。彼らはあらゆるものを破壊しながら、バスの横をのし歩いていく。悪夢のような光景だ。

〔PHOTO〕gettyimages

ハンブルクの空には、あちこちから巨大な黒煙が立ち昇っていた。7日の夜、市内のシャンツェン地区で暴動はピークに至った。

http://www.spiegel.de/video/g20-krawalle-in-hamburg-eskalation-von-chaos-und-gewalt-video-1780951.html

そのうち、ブラック・ブロックが闇に乗じて建物の屋上に立てこもり、警官を狙って火炎瓶を投げ始めたため、重装備の警察隊も一時、手が出せなくなった。急遽、特殊部隊GSG9の出動が要請され、到着した彼らが建物内の暴徒を勾引した後、ようやく治安回復が試みられたという。

オーストリアの特殊部隊など90名も救援に駆けつけた。ちなみに、サミットの警備に投入された警官の数は2万人。ドイツ全土から集めた最大の動員数だった。

 

シャンツェン地区で死闘が繰り広げられていたその頃、すぐ近く、エルベ川のほとりの瀟洒なコンサートホールでは、各国の首脳たちがベートーヴェンの第九(有名な「歓喜の歌」付きの交響曲)を聴いたあと、ディナーパーティーをしていた。

〔PHOTO〕gettyimages