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金正恩核実験のXデーが「8・21」の可能性

米朝開戦の悪夢が現実に?

やはりこの男は常軌を逸している。金正恩が米トランプ政権への「宣戦布告」とも言えるICBMの発射強行。さらに8月には核実験も準備中という。米朝開戦の悪夢は、もうすぐそこに迫っている――。

「アメリカに教えてやる」

「米帝(アメリカ)との長い戦いも、いよいよ最終局面に突入した。われわれの警告を無視し、意思を試してきたアメリカに対して、明白に教えてやる時が来たのだ。

われわれの戦略的選択を目のあたりにしたアメリカの奴らは、とても不愉快に違いない。(7月4日の)独立記念日の贈り物は気に入らないだろうが、今後共、大小の贈り物を頻繁に贈り続けてやる!」

 

7月5日、金正恩委員長が国営通信社の朝鮮中央通信を通じて、米トランプ政権に向けて「宣戦布告」した。

その前日、北朝鮮がついにICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験を強行した。北朝鮮の報道によれば、このミサイルは「火星14号」と呼ばれ、39分の飛行時間で高度2802km、飛距離は933kmに達したという。

ロフテッド軌道と呼ばれる故意に高度を上げる方式で発射しているため、通常軌道で飛ばせば7000kmを超える射程となり、アメリカ本土に到達する。

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この北朝鮮のICBM発射を受けて、韓国の韓民求国防長官は5日、恐ろしい発言をした。

「北朝鮮は続いて、6度目の核実験を強行する可能性が非常に高い。

北朝鮮の最終目標は、核兵器を搭載したミサイルを作ることだ。そのため、現段階において核実験の徴候は見られないものの、着々と準備しており、確実に行うだろう」

実際、北朝鮮は'06年に初めて核実験を実施した時から、常に中長距離弾道ミサイルとセットにしてきた。ミサイルを発射してから3ヵ月以内に、核実験を行うというのが通常のパターンだ。

昨年1月の4度目の核実験の時だけは、核実験の翌月に長距離弾道ミサイルの発射実験を行った。

こうした前例にならえば、韓民求長官が予言するように、まもなく6度目の核実験を強行する可能性が高い。

長年、北朝鮮の軍事動向を追っているソウル在住ジャーナリスト・金哲氏が語る。

「おそらく8月中旬までは、核実験は行わないでしょう。秋の収穫を前に朝鮮人民軍の備蓄米が不足していることと、軍は毎年真夏に起こる洪水の対応に追われるからです。

金正恩委員長も、夏は1ヵ月くらい休みを取って、元山や白頭山の別荘で過ごす習慣があります。今年は元NBAスターのデニス・ロッドマン氏を元山の別荘に招待するとも聞いています」

だが、8月下旬から9月上旬は要警戒だという。金氏が続ける。

「北朝鮮は9月9日に、建国69周年を迎えますが、この記念日の前に核実験を強行し、国威を発揚する可能性が高い。

韓国政府の分析によれば、金正恩委員長はこれまで、儒教の教えで『統治者の数字』と言われる『9』にこだわって発射日時を決めています。

このことから、日時を加えると合計27となり、縁起のいい9が3つになる主体暦106年(2017年)8月21日午前9時が6度目の核実験の〝Xデー〟ではないかと、韓国政府は睨んでいるのです」