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男性至上イデオロギーが支配したオリンピックの「黒歴史」

東京五輪で「男女平等」は実現するか?

東京オリンピックまで、あと3年。いまだ諸問題は落ち着かないが、私たちはこのイベントについてどれほど知っているだろうか。

ジャーナリストの森田浩之氏がオリンピックの知られざる重要な側面を追い、「TOKYO 2020」を多角的に考えるための連続リポート。第2回は、女性アスリートの参加をめぐる闘争、その成功と失敗を取り上げる。

第1回はこちら『東京オリンピック「経済効果予測」のオカシさを暴こう

史上最多の種目数が意味するもの

女子選手が参加していないオリンピックを想像してほしい。むずかしいかもしれないが、なんとか思い浮かべてみてほしい。

それは、とてもいびつなイベントに見えないだろうか。何かを抑圧する力がはたらいた、ゆがんだもののように思えないだろうか。

しかし実際、初期のオリンピックには女子選手の姿はほとんどなかった。しかも女子を大会から締め出していたのは、「近代オリンピックの父」と呼ばれたピエール・ド・クーベルタン男爵その人だった……。

ひるがえって、2020年東京オリンピックに参加する女子選手の割合は、全体の半数に迫る見通しだ。

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IOC(国際オリンピック委員会)は中長期改革「アジェンダ2020」で、運営経費の抑制などを目的として、夏季大会の種目数の上限を310程度、選手数を1万500人程度としている。

しかし先ごろ決まった東京オリンピックの実施種目は、史上最多の33競技339種目。野球・ソフトボールや空手など東京大会に限って実施される別枠扱いの追加5競技を除いても321種目となり、アジェンダ2020で定めた上限を超える。

それでもIOCは、同じくアジェンダ2020に掲げた目標である「男女平等」にこだわったようだ。前回のリオデジャネイロ大会から新たに加わった15種目のうち、9種目を男女混合種目が占めている。

ほかに女子種目も新たに加わった結果、東京オリンピックに参加する女子選手の割合は全体の48.8%に達するとみられる。リオデジャネイロ大会の45.6%を上回り、史上最高となりそうだ。

 

「男女平等」は、東京オリンピックのうたい文句のひとつになるかもしれない。

でも、何かおかしな感じがしないだろうか。

女子選手の活躍は、オリンピックをさまざまに沸かせてきたはずだ。それなのに、大会参加選手のほぼ半数を女子が占めることが今さらニュースになるなんて、どういうことなのか。

その姿がほとんど見られなかった初期のオリンピックから、男女平等の一歩手前まで来た東京大会まで──いったい女性たちは、オリンピックでどう扱われてきたのだろう?