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「ホストクラブで一晩1600万円使う」のはもったいないか否か論争

けしからんのは分かっていても…

鈴木涼美さんが独自の夜人脈を駆使してオンナのおカネの使い方・稼ぎ方について取材・考察する本連載。今回は、恋するホストのイベントのために一晩で1600万円使った高スペック嬢のお話しです。色々考えさせられます。

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謎な貨幣価値がまかり通る世界

ホストで、半年で1600万円使った、というと毎日のように飲み歩いて豪遊していた、というような響きがあって、およそ真面目に仕事をしていたとも規則正しい真面目な生活をしていたとも思えない。それは別に私が特別偏見に満ちた人間であるかどうかに関わらず、そう想像する。

しかし、半年で1600万円使ったというその女の子が、その半年間でホストクラブに行った回数がたったの1回だと聞けばどうだろうか。

 

ホストクラブは例えば鏡月のボトルが約1万円だったり、ロジャーグラートとかいう見た目だけなぜかドンペリに似ているただのスパークリングワイン約10万円だったり、なぜか酒屋ではそれよりはちょっと高いはずの美味しいシャンパン(モエとかヴーヴとか)が5万円だったりと、一般社会から独立した謎な貨幣価値がまかり通っているところであるのは周知の事実だが、基本的な前提としては何でも高い。

淡麗の350ミリ缶は1000円だし、当然そんなものは若いお兄ちゃんたちの手にかかれば数分で無くなる。

ただ、基本スタンスが一見さん大歓迎であるそう行った業種において、例えば万馬券を当てたから初めてホストクラブで豪遊しようとか、どかっと印税が入ってきたから初めてホストクラブで豪遊しようとか思ったところで、初回で100万円の束をごそっと出すような飲み方をするのは実は結構難しい。

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うっかり予備知識なく店に案内されるままに入れば、2時間後に3000円ぽっちの伝票が来てしまうし、そこからまた店に勧められるがままに誰かを指名して飲み直しをしたとしても普通に飲んだら高くて5万円、1本くらいシャンパンを入れて思う存分シャンパンコールを聞いたって10万か、せいぜい15万円くらいのものである。

ただ、実際に100万円の束をごそっと出すような飲み方をしている方々も勿論いて、ホストクラブはそういった太客たちの涙ぐましい労働と散財によって成立している。

キャバクラやクラブ、ラウンジ、あるいは風俗店に比べて客層が圧倒的に狭く、リピート率も低いのだから、客単価を高くするしかないのは当たり前なのだが、基本的にイベントで高額のボトルを降ろしたり、締め日に10万円のシャンパンを10本頼んだりする客というのは、そういった日以外にもしょっちゅう同店に出入りしている常連さんであり、少なくともイベントや締め日には必ず来ているような客である。