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「口呼吸」に悩む人は必読! 薬が効かない難病SASとその治療法

理想の枕を「手作り」する

「現在のところ、効果的な薬はまだ開発されておらず、薬でSASを治すことは不可能です。高齢者の中には眠れないからと睡眠薬を飲んだり、睡眠薬がわりに寝る前にアルコールを摂取する寝酒が習慣化している人もいますが、おすすめできません。

薬やアルコールは睡眠中に咽頭の筋肉を弛緩させるので、舌が喉に落ちやすくなり、気道が狭くなってイビキや無呼吸がひどくなります」(前出の白濱氏)

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療は、狭くなった気道を広げることがポイントになる。

適度な運動、食生活を見直し体重を落とす、タバコを控えるなど生活習慣を改善することが治療につながるのは言うまでもないが、なかなか一朝一夕にはできないもの。だが、自宅でもあることを心がければ、SASは軽減することができる。

山田朱織枕研究所代表で16号整形外科院長の山田朱織氏が語る。山田氏は整形外科的なアプローチでSASの改善に取り組む専門家でもある。

 

「気道は首の骨、いわゆる頸椎の真ん前にあります。その気道が睡眠時どの位置で確保されているかで、呼吸のしやすさが物理的に決まる。そこで大切になるのが枕の高さです。

人の首の骨は『S字カーブを描いている』と言われますが、実はこれは起きている時の姿勢で、寝ている時はストレートの状態になる。

ところが自分の体格に合わない枕を使ってしまうと、ストレートになるべき頸椎の形が歪んでしまう。それに伴って気道も歪むので呼吸がしづらくなります。

逆に言えば頸椎をストレートに近い状態に保つことができれば呼吸もしやすくなるのです」

では具体的にどんな枕が理想的なのか。患者さんに合ったオーダーメイドの枕を製作している山田氏によれば、3つの条件があるという。

「私たちが考える枕の3大条件とは、その人にジャストフィットした高さ、一晩中その高さが維持できるような適度な堅さ、そしてフラットな形です。

人間の身体には体重の増減や老化がつきものですから、枕の高さもそれに応じて調整しなければなりません。

よくSASの人は、仰向けより横向きで寝るのがいいと言われますが、これは舌が落ちずに気道が確保されるためです。しかし、本当にフラットな枕であれば上向きも横向きも関係なく気道が開いた状態を保てるのです」

とはいえ無理にオーダーメイドの枕を買う必要はない。

「私の病院ではそれぞれの患者さんに合った『手作り枕』の作り方も指導しています。まずは玄関マットを3枚折りにし、さらにその上にタオルケットを折り重ねる。

高さは顔の中心から首、腰までの軸が一直線になるようタオルケットの折り方で調節します。こうすると適度な堅さがありフラットになった枕が出来上がる。軽度なSASならこの枕一つで改善する人もいます」(山田氏)

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ひどいイビキでSASを起こしている人は「口呼吸」になっているケースが多い。

南越谷健身会クリニック院長の周東寛氏が語る。

「口呼吸の人は、テープを唇の中央に縦に貼って寝てみてください。こうすることで口呼吸が自然と抑えられ、鼻呼吸を促します。テープは、薬局などで売っているかぶれない医療用のものが望ましい」