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宣伝費に4億円「Jアラート」はやっぱり今日も鳴らなかった

発射から5分で通知、は至難の業です

<政府から、お知らせします。>

2017年6月23日から7月6日まで、全国瞬時警報システム「Jアラート」のCMがテレビで放送されている。

JアラートのTVCMJアラートのTVCM。そこはかとない危機感は広がったかもしれないが……

Jアラートは、2007年から政府が展開し、地震や津波をはじめとする大規模自然災害や、テロ等武力攻撃の発生などを対象にした警報システムだ。市民が携帯電話へのエリアメールやスマホのアプリなどでも受信できる他、市町村の防災行政無線等も自動起動し、屋外スピーカーから警報が流れる(テロ等武力攻撃に対する警告の場合は、国民保護法に基づく国民保護体制の一環として「国民保護サイレン」と呼ばれる)。

内閣官房は、度重なる北朝鮮のミサイル発射問題を受けて、「弾道ミサイルが日本に落下する可能性がある場合」にもJアラートを使用する運用を追加したわけだ。それ自体は「前進」と評価できるだろうが、疑問も残る。

今回のJアラートのCMでは、弾道ミサイルが日本に飛来する可能性がある場合、<屋外にいる場合>は、<頑丈な建物や地下に避難してください>。<近くに建物がない場合>は、<物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守ってください>……などと説明している。

これで本当に大丈夫なのか……?これで本当に大丈夫なのか……?

だが、Jアラートで伝えられる情報が、どこまで正確な、どのような内容の情報なのかが、このCMだけではまったくわからない。そもそもJアラートは、発射直後に配信されるのか? 落下地点の予測は伝えらえるのか? それはどれくらい正しいのか? 生物化学兵器を搭載したミサイルの開発も懸念される中、ただ隠れたり伏せたりして待つだけで意味があるのか?

こうした初歩的な疑問への回答がなされ、周知徹底されない限りは、実際にJアラートが鳴っても、混乱が広がるだけではないか。東京オリンピックのような大規模イベントを控えた現状から言えば、そうした会場でJアラートを受け取った人々が起こすパニックのほうが心配だ。

どんなときでも「誤報」も起こり得るわけで、警報に対する国民的なリテラシーを高める努力なしには、せっかくのJアラートも、百害あって一利なしと批判されかねない。