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文科省トップに財務官僚!? ウソかホントか、菅官房長官の仰天「人事構想」

前代未聞の霞が関「分割統治」が始まる?

いっそ、片道切符で…

7月に控えた霞が関の人事異動を前に、新聞報道を通して、各省庁のトップ人事が漏れ伝わり始めた。

今年は前川喜平・文部科学省前事務次官による「反乱」が勃発。官邸と霞が関の緊張感は、いつにもまして高まっている。そんな中、中央省庁のトップ人事を握る菅義偉官房長官が、驚くべき案を口にしたという。

 

各省庁の審議官級以上の幹部人事は、内閣人事局の会合を経て決められる。菅官房長官、萩生田光一内閣人事局長をはじめ政権幹部が定期的に意見交換を行う、事実上の官邸による人事会議だ。その6月末の会合で紛糾したのが、いまや「反逆者」の烙印を押された文科省の処遇についてである。

「加計学園問題で、安倍総理も菅官房長官も相当頭に血がのぼっている。特に菅さんは、会議の最終段階になって、

『文科省の事務次官は、他省から持ってくる』

と言い始め、現場は大混乱。『他省って、どこだ!?』と、各紙の記者も色めき立ちました」(官邸スタッフ)

言うまでもないが、次官には各省庁のエースが昇格する形で就任するのが常識。文科省では、前川氏が今年1月に「天下り斡旋」問題の責任をとって辞任した後、旧科学技術庁出身の戸谷一夫氏が棚ボタ的に次官の座についている。表面上は今のところ、地殻変動の音は聞こえてこないのだが……。

「菅さんは、今回の人事では戸谷次官を留任させてマスコミに肩すかしを食らわせ、9月の内閣改造と合わせて突然交代させるという作戦を立てているようです。

恐ろしいのは、菅さんがこう漏らしていることです。

『いっそ文科省には、財務省から片道切符で出向させようか』」(前出・官邸スタッフ)

消費税増税を悲願とする財務省と、増税に消極的な安倍官邸の激しい確執は、かねてから周知の通り。その財務省から、あたかも植民地時代の「分断統治」のごとく、文科省に「統治者」を送りこむ。もし実現すれば、両省はぶつかり合って消耗するだろう——菅官房長官が狙っているのは、「毒を持って毒を制する」ことなのだ。

火に油を注ぎかねない

時期外れの9月に文科事務次官人事が行われるのは、異例中の異例ではあるものの、「加計問題をめぐる文科省内の混乱と情報漏洩の責任をとって辞任」というように、いざとなればシナリオはどうとでも書ける。

某財務省キャリア官僚は、こう言ってため息をつく。

「財務官僚が文科省トップなんていう奇妙な事態になれば、『財務省は教育行政まで牛耳る気か』、『子供に増税の大切さでも教え始めるんじゃないか』と、国民から顰蹙を買いますよ。その上、財務官僚の側も『ヘマをしたら、行きたくもない文科省に飛ばされかねない』と萎縮する。菅さんは本当に陰湿な手を使いますね」

ただ、こうした仕打ちは両刃の剣でもある。文科も財務も、堂々と官邸に弓引く省。両者をあまり交わらせすぎると、「いがみ合うより、オレたちで組んで安倍政権を潰したほうが早いんじゃないか」という結論に至るのは、ごく自然なことだ。

「事実、すでに財務と文科の幹部数名が密談をしている、という情報が出ています。前川会見以降、文科官僚は『安倍と加計の好きにはさせない』と団結力を増している。一方では文科省の『内部文書』の流出そのものに、財務省が噛んでいるという話もある。菅官房長官のもくろみは藪蛇になるかもしれません」(全国紙政治部記者)

官邸の策士、策に溺れてしまうのか。