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「消費増税は再延期を」2回生議員の提言は、安倍首相への「忖度」か

世界の反応より官邸を気にしている…?

首相のお膝元で

自民党の2回生議員といえば、最近お騒がせの絶叫女性代議士が話題を独占しているが、まじめな政策議論を進めている議員もいる。

自民党の衆議院議員当選2回生の有志が作る「日本の未来を考える勉強会」(代表呼びかけ人・安藤裕・衆院議員)が、政府の掲げる2020年度の基礎的財政収支(プライマリー・バランス=PB)の黒字化目標の撤回と、2019年10月の消費税率引き上げの凍結を求める提言書をまとめたと産経ニュースなどが報じた。

それによると、すでに国会議員27人が賛同しており、7月5日に首相官邸や党執行部に提出する予定だという。

 

提言書では、デフレから完全に脱却するためには、インフラ整備などの財政的な出動によって経済を成長させることが不可欠だと主張しているという。勉強会は今年4月12日に1回目を開いて以降、すでに6回の会合を開いているが、外部から識者を招いた勉強会のタイトルを見れば、基本的な政策スタンスが分かる。

初回に招いたのが内閣官房参与で京都大学大学院教授の藤井聡氏。「列島強靭化論」が持論で、安倍晋三内閣が「国土強靭化」政策を掲げる論理的支柱になった人物だ。テーマは「財政再建と成長の二兎を得るためのアベノミクス戦略」だった。

2回目は経済産業省官僚で「TPP亡国論」などの著者である中野剛志氏。規制緩和・小さな政府路線などを批判している。3回目は京都大学特任教授の青木泰樹氏がズバリ、「財政出動阻む経済通念について」として講演。

それ以降も「積極財政で復活する日本経済」「デフレ完全脱却へやさしい財政政策が必要」「デフレーションが国民経済を破壊する」といったテーマが並んだ。明らかに「積極財政出動」を主張する立場をとっていることは明らかだ。

そんな彼らがプライマリー・バランス黒字化の撤回を求めるのはある意味当然だ。国債の償還や利払いを除いた基礎的な歳出を、税収などの基礎的な歳入で賄おうというわけだから、当然、PB黒字化を目指せば、歳出を厳しく見直す方向に行く。それではせっかく、デフレから脱却し始めたかにみえる日本経済を再びどん底に突き落とすことになりかねない、というわけだ。

もちろん、消費税率を引き上げれば、その分消費の足を引っ張るので、景気にはマイナス。安倍首相は2度にわたって消費税率の引き上げを先送りしているが、安倍首相が約束した2019年10月も引き上げはせず、凍結すべきだとしているのである。

だが、これには財政健全化を求める学者や元官僚から強い批判が噴出した。財政規律を重視するこうした立場の人たちは総じてアベノミクスを批判しており、税率引き上げの先送りを強く警戒する。2回生議員の動きも、「実は安倍首相官邸と連動しているのではないか」「首相の思いを“忖度”しているのではないか」といった見方も出ている。

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