政治政策 メディア・マスコミ 選挙

【都議選】豊洲移転問題だけじゃない、「住宅政策」もこんなに重要!

空き家活用は本当に実現するのか
大西 連 プロフィール

各党からの回答についての詳細

東京の住宅事情を説明してきたところで、公開質問状の各党からの回答を確認・検討しよう。

自民党は、基本的に既存政策の踏襲である。都営住宅に関しても、既存ストックの活用とあるし、現状の入居資格も妥当な水準にあると考えているようだ。空き家活用に関しても、「改正住宅セーフティネット法」の活用以上の言及はない。

要するに、なにか特別に住宅政策についての取り組みは考えていない、ということだ。

公明党は、かなり積極的な姿勢を見せている。

都営住宅の新規建設や建て替え時の戸数増に言及しているほか、都が補助を出しての区市立住宅の拡充や民間借り上げなどにも拡げたいとしているのみならず、供給の拡大とともに子育て世帯への条件緩和などにも踏み込んでいる。国の後追いでなく都独自の取り組みをおこなうべきという立場は評価するべきだろう。

もちろん、都営住宅の新規建設には多大な予算がかかるので実現可能性は高くなさそうだ。住宅政策を重要政策に位置付けていることはよく伝わってくる。もちろん、公明党は基本的に「与党」であるわけで、なんでこれまでやってこなかったんだ、という突っ込みを入れずにはいられないわけだが……。

 

民進党は、都営住宅の供給増加は現実的でなく空き家活用施策を進めるべき、との回答をしている。

マニフェスト(重点政策)で「老後安心!家賃補助」や「子育て応援!家賃補助」の創設を訴えているものの、都営住宅は「家賃が低廉である」という機能だけではない。

バリアフリーなど高齢者や障がい者への住宅セーフティネットは、家賃補助のみでは不十分であろう。そのあたりを、どのように考えているのかじっくり聞いてみたいところだ。

共産党は、都営住宅の新規建設の再開と大量建設、建て替え時の戸数増のほか、「若者向け住宅」の創設など、かなり抜本的な変革を提案している。

また、空き家活用に関しても、家賃補助のみならず改修費用補助などの予算拡充にも触れているほか、若者や低所得者向けの家賃補助制度の創設を求めていく、としている。

施策の拡充という意味では申し分がないとも言えるが、これらの施策が実現するにはどれだけの予算がかかるかわからないという問題はある。

生活者ネットワークは、地域政党であることからか独自の視点の回答であった。都営住宅に関しては既存の住宅を高齢単身者が複数でシェアできるような施策を進めるべきだ、ということや、年齢要件や収入要件について区市町に権限移譲すべき、などとある。

正直、単身で住みたい人が高齢者で都営住宅が少ないからと言ってシェアして住まざるを得なくなるのは好きな人にはいいかもしれないが、嫌な人にはとても嫌だろう。

区市町への権限移譲は、区市町にはそれぞれ区立住宅等があるわけで、都営の権限移譲をせずとも予算上の援助をすればいいのでは、などとも思ってしまう。

空き家活用に関しては、区市町での「居住支援協議会」の設置の促進や、都市型軽費老人ホームやサービス付き高齢者住宅などにも触れていて、これは地域政党ならではというか、地域に根差した視点ともいえる。

都民ファーストの会と日本維新の会は回答が来なかったので、住宅政策についてどのように考えているのかは定かではない。せっかくの機会で各党の回答を比較したかったのでとても残念なことだ。

特に、都民ファーストの会は都知事が代表を務めているわけで、「回答なし」というのは残念でならない。