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野球 週刊現代

巨人ではなぜ若手が育たないのか、そのシンプルな答え

~楽天、広島にあって巨人にないもの

「お前、やっぱりえぐいな」。巨人・坂本勇人は古巣相手に打ちまくった日本ハム・大田泰示にこうもらしたという。巨人で伸び悩む選手が、放出された途端に活躍する。背景にある「病巣」に迫る。

大田泰示の告白

飛べなかった逸材が、北の大地ではばたいた。2008年のドラフト1位で巨人に入団して以来、伸び悩んでいた大田泰示(27歳)は今季を前に日本ハムに放出された。

その大田が古巣と初対戦するや、6月9日からの3連戦で10打数7安打2本塁打と強烈なしっぺ返し。松井秀喜の後釜と期待された大田は日ハムのユニフォームをまとった今、本誌に胸のうちをこう明かす。

「ドラフト1位というのは毎年出ますが、(松井がつけた)背番号55は特別なものがありました。今季はチームが変わったので自分が何とか全部変えなきゃいけない、と思ってやっています。

熱心に指導していただけるのは(日本ハムも巨人も)同じです。ただ、(日ハムでは)チャンスを多くもらえる。試合に出続けられるのは大きい」

大田はけがをして出遅れ、4月末に一軍に昇格したものの、5月3日のロッテ戦でサヨナラ安打を放つまで、打率1割台で低迷。巨人にいたら、二軍に降格していただろう。

だがそんな成績でも、大田の潜在能力にほれていた栗山英樹監督は、結果が出るまで我慢した。

大田がダメ押し本塁打を叩き込んだ6月11日の試合後、巨人の高橋由伸監督は、報道陣から大田の活躍について質問されると、こう返答した。

「(大田と交換で)入ってきた石川(慎吾)も(巨人で)準レギュラー。お互いにとっていいトレードだったと思う」

「大田」という名前を口にしなかったことに複雑な胸の内が表れていた。

 

巨人は交流戦中に、球団史上ワーストとなる13連敗を喫し、堤辰佳GMが事実上の解任に追い込まれた。巨人のある球団関係者が明かす。

「13連敗以上に、大田に打たれ、'07年ドラフト1位で獲得しながら放出した村田透に抑えられたことのほうがずっと深刻。楽天の茂木や広島の鈴木だって、本当ならウチがドラフトでとれた可能性もあったのに……。ああいうイキのいい若手が出てきていない」