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一式50万円!52年ぶりに変わった陸自新制服の「知られざる事情」

斬新なデザインに賛否両論…?

「マタニティ制服」まである自衛隊

軍服が誕生したのは17世紀のヨーロッパといわれる。さらに19世紀以降は、正装、礼服、通常勤務服、戦闘服など、用途に合わせて種類が多様化してきた。

日本の自衛隊における制服の歴史も古く、昭和25年の警察予備隊創設時から存在し、昭和29年の自衛隊発足時には12類の服装が定められた。自衛隊では、「制服」を「常装」と呼び、普段から勤務に着用するものと定められている。その制服も、数度の改正によりスタイルや色が変更になってきた。

陸上自衛隊の常装。緑がテーマカラー陸上自衛隊の常装。緑がテーマカラーだ(撮影:伊藤明弘)
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平成28年、朝霞での観閲式にて(撮影:伊藤明弘)平成28年、朝霞での観閲式にて(撮影:伊藤明弘)
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あまり知られていないが、官給品(無償供与)されている自衛隊の制服のバリエーションは、女性自衛官用のものを含めて20種類以上存在する。なかには妊娠中の隊員のための「マタニティ制服」まである。これは、警察や消防には存在しないものだ。

だが、時代の変化に合わせて更新されてきた制服の中でも、52年の長きにわたって改正されなかった服装がある。それが「特別儀じょう服装」と「特別儀じょう演奏服装」だ。

 

「儀じょう」(漢字では「儀仗」と書くが、政府刊行物では「じょう」はひらがなになっている)とは、来日した外国要人を「栄誉礼」などで迎えること。こうした式典に参加する部隊は、陸上自衛隊においては「特別儀じょう隊」と呼ばれ、第302保安警務中隊と中央音楽隊がこれを行う。

露プーチン大統領訪日時の特別儀じょう隊ロシアのプーチン大統領訪日時に居並ぶ特別儀じょう隊(photo by Getty Images)
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観閲式で行進する特別儀じょう隊観閲式で行進する特別儀じょう隊(Photo by Getty Images)
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すでに始まった一大モデルチェンジ

実はこの2017年4月から、陸自の特別儀じょう隊の制服が新しいデザインに変更されたことは、あまり知られていない。今後、順次行われていく制服の改正の先駆けとなるデザインチェンジだ。

新しい陸上自衛隊の儀じょう服(夏服、提供:陸上自衛隊)
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新しくなった儀じょう服は、「日の丸」をイメージして、白地に赤線を配した夏服と、紺色の冬服2種。これまで、陸自のシンボルカラーといえば緑色だったのだが、それが一新された。夏服・冬服ともにネクタイを廃止し、詰襟のシルエットになっている。この新デザインは4年前から検討されていたと言われ、デザイナーのコシノ・ジュンコ氏が協力。見た目の変更だけでなく、通気性やフィット感も向上させているという。

新儀じょう服冬用新しくなった陸上自衛隊の儀じょう服(冬用、提供:陸上自衛隊)
新儀じょう服冬用の2種類目(提供:陸上自衛隊) 新儀じょう服冬用の2種類目(提供:陸上自衛隊)
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