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宗教家がJ1チームのオーナーに?ヴェルディ戦で国歌を歌った教祖さま

「一体だれ!?」と観客は驚嘆…

突然の国歌熱唱「あれ、誰?」サポーターが唖然

6月10日午後3時前、サッカーJリーグ2部の「東京ヴェルディ」ホームの「味の素スタジアム」(東京・調布市)は異様な雰囲気に包まれた。

対戦相手は名古屋グランパス。普段より多い約1万2000人の観客が見守る中、キックオフ前のイベントで場違いな光景が繰り広げられたのだ。

観戦したヴェルディのサポーターが話す。

「グラウンドに選手が入場した後、キックインセレモニーが行われました。そこに、紋付き袴姿の初老の男性が現れたんです。男性は美女11人を引き連れて入ってくると、マイクの前で、おもむろに『君が代』を歌い始めた。国際試合ならともかく、Jリーグの試合で『君が代』が歌われるのは異例でしょ。紋付き袴姿という格好もあって、観客は呆気に取られていましたよ」

袴姿で現れた半田氏【PHOTO】gettyimages

とくに名古屋グランパスのサポーターが陣取るスタンド席からは「あれ、誰?」というざわめきが起きた。だが男性は観客席の反応を楽しむかのように、オペラ歌手よろしく朗々と国家を歌い、5分間のセレモニーを終えた。

この男性こそは、半田晴久氏。今年1月にヴェルディのメインスポンサーになった一般社団法人「国際スポーツ振興協会」(ISPS)の会長である。前出のヴェルディサポーターが話す。

「Jリーグ発足時は一番人気のチームだったが、読売新聞社がスポンサーを降り、いまは資金繰りに四苦八苦しています。そこに半田氏が救いの手を差し伸べ、ヴェルディが飛びついた。いま、ヴェルディの選手のユニホームには『ISPS HANDA』のロゴが掲出されています。この日も"ISPSデー"とされていました」

 

なぜか次々と会社を設立

半田氏にはもう一つの顔がある。新興宗教団体「ワールドメイト」の教祖として、「深見東州」の名で活動しているのだ。

「半田氏が新興宗教の教祖、深見東州と同一人物であることは、ヴェルディのサポーターならみんな知っていたんじゃないでしょうか。でも、生で教祖の姿を見たのは、あのときが初めて。ヴェルディのサポーター席からも”あれが深見か”という呟きが、あちこちで漏れていました」

半田氏すなわち深見氏は、自らを「万能の天才」「現代の弘法大師」「21世紀のレオナルド・ダ・ヴィンチ」と称している。

ワールドメイトは静岡県伊豆の国市に総本部を置く、神道系の宗教団体で会員(信者)数は約7万5000人とされる。

兵庫県西宮市出身の深見氏は、中学3年のとき、母親の影響で「世界救世教」に入信。いくつかの教団を渡り歩き、同志社大学卒業後、大手住宅メーカーを退職して、開祖の植松愛子氏らとともワールドメイトを立ち上げた。

その一方、深見氏らは杉並区西荻窪に、予備校「みすず学苑」などを経営する株式会社「三十鈴」を設立。これを足掛かりに、主に自著を出版する「たちばな出版」、経営コンサルタント会社「菱法律経済政治研究所」などを次々に立ち上げた。