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MBAより価値ある「会員制」 堀場雅夫が
私塾で若手リーダーに教えていること 

京都クオリア研究会青年政策部会

 ビジネスパーソンをターゲットに、連日のように勉強会やセミナーが開催されている。そんな中で異彩を放つのは、カリスマ的人物が少人数を対象に、非公開で行う「私塾」の存在だ。限られたメンバーだけに許された、特別授業の中身とは?

スーパー経営者のフィロソフィーを学ぶ「ぶつかり稽古」の場

 京都市内中心部のホテルで、毎月一回、若手の経営者を集めた朝食会が開かれている。主催は「京都クオリア研究会」。堀場製作所の堀場雅夫最高顧問が京都の学者に呼びかけ、2007年に発足した研究会だ。

「天下国家を考えない者に、
経営者の資格はありません」

堀場雅夫 ほりば・まさお

1924年、京都生まれ。
堀場製作所創業者、現在は最高顧問。京都帝国大学理学部物理学専攻卒。全国イノベーション推進機関ネットワーク会長、京都市ベンチャー企業目利き委員会委員長を務めるなど新しい価値の創造や起業家育成に力を注ぐ。
イヤならやめろ!』『もっとわがままになれ!』など著書多数
〔PHOTO〕竹中稔彦

 堀場氏は、京都で7代続く旧家に生まれ育った純粋の京都人。

 京都大学で物理学を専攻していた1945年、20歳で堀場製作所の前身・堀場無線研究所を創業した、学生ベンチャーの草分け的存在だ。

 経営者として堀場製作所を世界有数の分析・計測機器企業に発展させる一方で、30代半ばには医学部に再入学して博士号を取得。

 科学から文化・哲学まで幅広い素養をそなえた名経営者として、京都人の尊敬を集める存在だ。

 その堀場氏を囲む朝食会のメンバーは、食品、繊維、IT・情報関連など、京都を代表するさまざまな企業の社長および後継者16名。

 ちなみに京都には、オーナー社長でなければ、どんな大企業の社長も単なるサラリーマンと見る風土がある。

 ここに集うのは老舗、ベンチャーにかかわらず全員がオーナー経営者ばかり。京都の未来に寄せる思い入れと責任感は大きい。

 朝8時、朝食が用意されたホテルの一室に、次々とメンバーが集まってくる。多忙な現役社長たちが集まれる貴重な時間だ。

 メンバーが全員揃った頃合いを見計らうように、堀場氏が入室。とたんに部屋のなかにピリッと緊張した空気が流れる。まずは雑談を交わしながらの朝食の後、意見交換の時間が始まる。