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子どもが大人を信じきることができない、虐待保護の「苦しい現実」

税金で本当に救えるのだろうか

保護された子どもたちのその後

子どもの保護までの過程を認識している方は多く見られますが、保護後の奥の奥まで知っているという方は決して多くないというのが実状です。

「保護を受ける=虐待対策終了」ではなく、子どもたちにはその先のステップがあるということを忘れてはいけません。すでに保護を受けている子どもは4万7000人にも上ると言われていますが、保護後はどのような実態となっているのでしょうか。

虐待が判明した後、親子分離を行わなくてはいけないほど深刻な場合には、児童養護施設や里親のもとで育つことになると、前回の記事(「急増する児童虐待の『深刻な実態』」)でお伝えしました。

また、日本では里親の数はまだ少なく、児童養護施設などの施設に暮らす子どもたちの方が圧倒的に多いことも特徴として挙げました。

ちなみに、日本と韓国以外のほとんどの国では、施設で暮らすケースよりも、里親などの家庭で暮らす子どもたちで暮らすケースの方が一般的で、日本と諸外国では虐待保護後の対応に大きな違いがあります。

児童養護施設などの「施設養護」と、里親などの「家庭的養護」の中で、個人的に最も大きな違いとして感じているのが、「大人がその空間で日常生活を送っているかどうか」ということです。

里親の場合、子どもがすでにある家族の家に「委託」されます。ホームステイに近い形と思ってもらうとイメージしやすいかもしれません。

 

子どもはその家族がどのような生活を送るのかを感じ、学ぶことができます。一方で、施設の場合は、一部を除いて、その空間で暮らしているのは子どもたちだけです。

大人たちは「職員」という形で「通勤」して施設にやってきます。子どもたちが暮らすため24時間運営ですから、夜も職員はいますが、「夜勤」という形になっています。一般的には24時間を3交代制で運営しているので、朝・昼・晩と子どもを見る大人が変わります。

職員は施設の中で「夜勤」はしますが、パジャマに着替えて寝たり、自分の子どもの世話をしたり、自分の仕事に出かけたり、奥さんや旦那さんに今日職場であった愚痴を話したり、そういったことはありません。

子どもたちはあくまで「職場にいる大人」の姿しか目にしません。