人口・少子高齢化 ライフ 週刊現代 日本

【徹底調査】人口減少ニッポン・あの大企業はどうやって生き残るか

トヨタ、金融、サントリー…それぞれの対策
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ここで下のグラフをご覧いただきたい。

これは社人研が一定の仮定のもと、日本の人口が「西暦3000年」までにどのように推移をするかの試算結果をグラフ化したもの。

新聞やテレビは50年後(2060年代)くらいまでの数値しか報道しないが、日本の人口は100年後にはほぼ「半減」するなど、「その先」には目を覆いたくなる破滅的な世界が広がっていることがわかる。

牛丼チェーン『すき家』などを運営するゼンショーHD社長の小川賢太郎氏は言う。

「これからは人口減少社会へ対応するのは当たり前で、むしろ経営者はみずからこの国をどう作っていくのか、という国家百年の計を持つことが大事になってくる。

また、経営者も従業員も優秀な人材であるほど、より豊かな生活を求めて海外に移ってしまう可能性がある。経営者は市場がシュリンクするなどと頭を抱えている場合ではなく、社員がやりがいを持てる夢を示さなければいけない。

われわれは、これまで日本で蓄積した技術や人材、パワーを、今度は世界の70億人に問うていこうと言っています。われわれの商品やサービスで、世界の食のインフラ作りに貢献する。そういうやりがいがあれば、社員もモチベーションが上がると思うのです。

どうせ数年で交代するから、自分の時代だけ良ければいい。そんなことを考えているサラリーマン経営者の会社は厳しい」

ニッポンではこれから、「生まれる子」の数も激減する。昨年は約97万人で、1899年に統計をとり始めてから初の100万人割れとなったばかり。さらに、これが50~60年後にはほぼ半減、100年後には約32万人へと落ち込む見込みである。

企業では同時にベテランの大量退職も進むので、企業の「人材獲得競争」はおのずと激しくなる。鹿島建設社長の押味至一氏も危機感を隠さない。

「建設工事に従事する経験豊富で有能な技能労働者の引退と新たな入職者の減少が同時に進むことにより、専門技術やノウハウが次世代の担い手へ伝承されなくなることを懸念しています。このような懸念から、当社グループは建設業のあり方そのものを見直す『鹿島働き方改革』を推進していく。

 

これは、技能労働者の処遇改善や工期を遵守しつつ、工事現場の『週休二日』に挑戦する取り組みです。このような取り組みを通じて、若年層の建設業への入職促進と育成に努めていきたい。

また、生産性向上に向けては、既製の部材を活用し省力化を図るプレキャスト工法の導入や、AIやIoTなどを取り入れた自動化施工技術の開発なども進めています」

宅配大手のヤマトHDが人手不足問題から大幅減益に追い込まれたように、人口減少は企業の業績を直撃する。若者が激減して「国力」が大きく萎んでいく中で、いったいどれだけの企業が生き残っていけるのか……。