医療・健康・食

日本人よ、「筋トレ神話」から目を覚ませ!

「筋肉」よりも「骨」を鍛えよ
勇崎 賀雄

筋肉は当然、加齢とともに弾力を失ってきます。ですから歳をとればとるほど、若い頃の弾力を維持するためにはたいへんな努力が必要になってしまう。それはサッカーの三浦知良や野球のイチローなど、超一流のアスリートが徹底的に努力してはじめて可能な領域なのです。

私たちのような一般人には、そんな努力を続けることはできません。逆に中高年が無理して筋トレをやると、弾力を失って硬くなった筋肉が関節や神経を圧迫し、さまざまな障害が起こりがちになります。筋肉の断裂(肉離れ)や、背筋を鍛えすぎることで、背中に痛みが出てパニック障害になってしまう方も増えています」

「筋肉神話」がからだを壊す

実際に「からだの学校」には、若い頃と同じように筋トレに励んだ結果、硬化した筋肉のせいで歩けなくなったり、日常の動作にも不都合が生じるようになった人たちが、数多く訪れている。

「それなのに、いまでもテレビでは『健康のためには筋トレを』などと言ったり、リハビリの世界でも、高齢者に無理な筋トレをさせようとする『専門家』が多い。これは大きな問題です。私が今回、著書にあえて『50歳からは「筋トレ」をしてはいけない』という刺激的なタイトルをつけたのも、むしろからだを壊す可能性のある危険な『筋肉神話』から目を覚ましてもらうためなのです」

では、中高年は健康のためにどこを鍛えればいいのか? 目指すべきは、筋肉よりも「骨」を強くすることだという。

「骨というのは、筋肉と違って、何歳になっても調整次第で強くすることができます。人間の身体のなかで骨は、折れても上手につなげば傷跡も残らずに100%再生する唯一の器官です。一方で骨は、環境が悪ければ、若者でも短期間であっという間にもろくなってしまうものなんです。

 

私がいま本気で心配しているのは、現代の日本人が、昔に比べて、明らかに骨が弱くなっていることです」

デスクワークの増加によって、長時間座ったままの人が圧倒的多数になり、日常生活でも身体を動かさなくなり、結果として姿勢の悪い人が急増している。勇崎氏は、かつての日本人が知っていた「骨の重要性」を、現代人が忘れてしまったことに警鐘を鳴らす。