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礼賛に次ぐ礼賛…いま、ホワイトハウスが「北朝鮮化」している

トランプの「首切り」を恐れる閣僚たち

ワシントンが平壌に?

トランプ米大統領の苦境が続いている。イスラム教徒の入国禁止に対して高裁の執行差し止め命令が相次ぐ一方、大統領個人も不動産事業をめぐって提訴された。私が注目したのは、閣僚がそろって大統領を礼賛した初閣議だ。

まず、トランプ政権をめぐる最近の動きを拾っておこう。

イスラム教徒の入国禁止については、サンフランシスコ連邦高裁が6月12日、執行を差し止める判断を示した。国籍に基づく差別が連邦法に違反するという判断である。5月のリッチモンド高裁に続く、政権側の敗北だ。

トランプ政権はリッチモンド高裁の判断を受け、大統領令の効力復活を求めて最高裁に上告しているが、最終的に裁判所の判断がどう決着するか分からない。

 

一方、ワシントンとメリーランド州の司法長官は大統領が関係する不動産業に絡んで、外国から利益を得ているのは大統領職との利益相反になり憲法違反であるとして大統領を連邦地裁に提訴した。

具体的には、大統領がワシントンに開業したホテルがサウジアラビア政府から数十万ドルの支払いを受けた例を挙げた。トランプ氏は大統領就任時に経営を2人の息子に引き継いだが、司法長官らは事実上、大統領が経営に携わっていると指摘している。

2人の司法長官は野党の民主党系であり、ホワイトハウスは「政治的な動き」と批判した。だが、これとは別に、190人以上の民主党議員も14日、議会の承認なしに大統領が外国政府から資金を受け取ったのは憲法違反として大統領を提訴した。

多数の野党議員が大統領を憲法違反で提訴するのは異例だ。議会は上下両院とも与党の共和党が多数を握っているとはいえ、大統領にとって頭の痛い動きであるのは間違いない。政権は司法と議会を相手に戦っている。まさに三権分立の構造ではある。

そんな中、6月12日に初閣議が開かれた。これがいかに異様だったか。ニューヨーク・タイムズは「ワシントンどころか平壌のように」大統領を賞賛するために全閣僚が招かれた、と皮肉交じりに報じた(6月12日電子版、https://www.nytimes.com/2017/06/12/opinion/president-trumps-cabinet-lovefest.html)。

たとえば、プリーバス首席補佐官は「すべての上級スタッフを代表して、大統領、私はあなたの政策課題と米国民に奉仕する機会を与えられたことに感謝します。我々は目標を達成するために毎日、全力で仕事をします」と述べた。

日本で言えば、菅義偉官房長官が全閣僚とテレビカメラの前で安倍晋三首相に対して「私はあなたに感謝します。毎日、全力で仕事をします」と最敬礼で述べたようなものだ。異様に映ったのは当然だ。

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