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中国人の眼に映る今の日本は「20世紀」のままだった…

過去の栄光にしがみついてる場合か
近藤 大介 プロフィール
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「超華僑」の眼に映る日本

「超華僑」の特徴は、第一に一人っ子であることだ。中国は1979年から一人っ子政策を採り始めたため、「80後」(バーリンホウ)「90後」(ジウリンホウ)と呼ばれる1980年代生まれ、1990年代生まれの若者たちは、ほぼ全員が一人っ子なのである。

中国で一人っ子は、父母と父母それぞれの両親という「6人の親」に育てられるため、「小皇帝」と呼ばれる。子供の頃から贅沢三昧で、「幼年太り」が指摘されるほどだ。そのため彼らは、来日しても決して皿洗いのバイトなどはやらない。

「超華僑」の第二の特徴は、超エリートではない日本留学組が多いことだ。彼らの世代のトップエリートは、ほとんどがアメリカに留学する。二番手は、イギリスやドイツなどヨーロッパに行く。その次の三番手グループが留学先に選ぶのが、日本やオーストラリアなのである。

私は2008年から週に1回、明治大学で東アジア論を講義している。最近の中国人留学生たちに来日した動機を質ねると、「高考(大学入試)に落ちたから」「アメリカ留学への準備として」「親からどこか留学に行ってこいと言われたから」…と、消極的な理由が多い。私が学生時代を送った1980年代のような超エリート中国人は、いまや皆無である。

「超華僑」の第三の特徴は、親日的でありながら、日本をどこかクールに眺めていることだ。

彼らは、日本のマンガやアニメを観て育った世代なので、親日か反日かといえば、それは圧倒的に親日である。日本のアニメの話をしだすと、何時間でも話が尽きない。そして抗日ドラマを夢中になって観る親の世代を、心中でバカにしている。

だが、そうは言っても、彼らは中国が日進月歩で成長していく中で育った裕福な世代である。中国のGDPは2010年に日本を追い越し、まもなく3倍に達しようとしている。そんな中で、彼らが就職先や留学先に選んだ日本は、「失われた20年」といわれ、いまや急速に進む少子高齢化にアップアップしている。

ひと言で言えば、「超華僑」の眼に映る日本は、輝いていないのである。それなのになぜ彼らが日本に居住する選択をしたかと言えば、それはやはり冒頭のAさんのように「安静・幹浄・安全」という「3点セット」が魅力なのだろう。

 

日本的「21世紀思考」とは

彼ら若い「超華僑」やいまの中国人留学生たちと接していて痛感するのは、われわれ日本人の側もそろそろ、発想の転換をはかっていかねばならない、ということだ。

日本のテレビをつけると、相変わらず「ジャパン・アズ・ナンバーワン」のような番組が多いし、書店へ行ってもそのような本がズラリと並んでいる。そして中国は相変わらず、蔑視の対象にされている。

だが現実はと言えば、中国は先月14日と15日「一帯一路国際サミットフォーラム」を開催した。6月に入っても、先週8日、9日にはカザフスタンで「上海協力機構(SCO)首脳会議」を開き、従来の6ヵ国にインドとパキスタンを加えてしまった。そして来月7日、8日には、中国はドイツG20首脳会議で、EUと準同盟のような関係を築こうとしている。

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