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中国人の眼に映る今の日本は「20世紀」のままだった…

過去の栄光にしがみついてる場合か
近藤 大介 プロフィール

過去の栄光にしがみつく日本人

私はそんなAさんとコーヒーを飲んでいて、「20世紀と21世紀」という言葉が引っ掛かった。たしかそんな話を少し前にもどこかで聞いたような気がした。

それは3ヵ月ほど前、青山のカフェでひとりでランチしていた時だった。

たまたま隣席に、スーツ姿の4人の中国人の若者が座った。その4人は、近くの日本の大手総合商社に勤める中国人社員たちで、中国語で会話していたが、周囲に日本人しかいないと思ってか、言いたい放題だった。

「まったく、うちの会社の幹部たちは、21世紀の世の中で、いまだに20世紀のような発想でいるんだから、やってられないよ。

日本が多額のODA(政府開発援助)を与えて中国に経済支援を行っていたなどというのは、20世紀の話だろう。いまや中国(台湾)の鴻海(ホンハイ)がシャープを買収する時代だよ。

中国には十分な資金も技術もあるんだから、これからの日本の商社というのは、中国企業による日本買収をサポートするところにこそ勝機がある。なのに20世紀にオイシイ思いをしてきたうちの会社の日本人幹部たちは、いつまでたっても『過去の栄光』にしがみつこうとする……」

4人の中国人商社マンたちは、そうやって約1時間にわたって、日本人上司の批判をブっていたのだった。そこでもキーワードは、「20世紀と21世紀の違い」だった。

 

時はまさに「第3次華僑ブーム」

最近では、多くの日本企業で、中国人社員を採用するようになってきた。それにつれて、在日中国人の数も急増している。

法務省のデータによれば、2016年末時点の在日中国人数は69万5522人で、全外国人居住者の29%を占めトップである。前年比3万人増で、2位の韓国人とは、すでに10%もの差をつけている。その意味で、現在は、「第3次華僑ブーム」とも言える。

古くは1894年の日清戦争から1911年の辛亥革命の時期に、祖国の混乱を逃れた多くの中国人が、横浜、神戸、長崎などにやって来た。この時期、多くの留学生も来日し、そのまま日本に住みつく人たちもいた。

続いて、第二次世界大戦後の国共内戦の時期(1946年~1949年)にも、一定数の中国人が日本の中華街などに辿り着いている。

1949年の新中国建国前に日本に住みついた中国人を、「老華僑」と呼ぶ。老華僑の特徴は、中華料理店の経営者が多いことだ。

それに対し、1978年の改革開放後に日本へやって来たのが「新華僑」である。新華僑は主に、中国の国費留学生出身の超エリートと、レストランの皿洗いなどに従事する単純労働者に二分される。前者は高学歴の学位を取得し、現在、日本で企業経営者や大学教授になっていたりする。

こうした20世紀の「老華僑」及び「新華僑」に対して、21世紀の現在の新たな華僑ブームの呼び名はない。そこで私は「超華僑」と名付けたい。

私が若かりし頃、日本の若者は「新人類」と呼ばれたものだが、いまの中国の若者は本国で「超新人類」と呼ばれているからだ。