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ライフ 週刊現代

群馬×栃木×茨城「北関東ナンバーワンを今日こそ決めッペよ!」

出身著名人たちが語り尽くした

「最下位争い」に明け暮れる北関東三兄弟が、気づけば京都や北海道とタメを張る(?)人気者になった。何にもねぇけど、それがいーんだ。出身者にしか分からない、微妙すぎる闘いが幕を開ける!

オレら池袋まで行ぐから

U字工事・益子卓郎 栃木県民からすると、やっぱ怖いのは茨城ですね。水戸に仕事で行くと、いまだにでっかい犬の絵が入ったダボダボのジャージ着て、地べたに座ってるヤンキーの子がいますから。

U字工事・福田薫 宇都宮ではさすがに見ないよね。

磯山さやか 「ヤンキーが多そうな県」のアンケートでは、わが茨城がぶっちぎり一位なんですよね。確かに、私の周りにもいましたよ。中学に進んだら「ヤンキー=かっこいい」という価値観でしたから。襟足を伸ばしたり、眉毛剃ったり。

福田 栃木から茨城に車で行くと、ヤンキーが途中で検問張っててケンカになる。高校の先輩から「昔は車ひっくり返されたっぺよ」って聞きました。

栃木ナンバーのシャコタン(注・車高を低くした改造車)で調子こいて走ってっと、追っかけ回されてボコボコにされる。

益子 「この栃木の猿が!」ってね(笑)。

磯山 そういえば私も、走っている車のナンバーは見ちゃいますね。県内で栃木ナンバーや宇都宮ナンバーを見かけると「おっ」と思いますもん。

あと、地元のコンビニの駐車場は、たまにバンパーの破片が落ちてて、「あ、シャコタンが擦ったんだな」って分かる(笑)。井田さんのところにもヤンキーは多いんですか?

井田ヒロト 中学で千葉から群馬に引っ越した当初は、いきなり「そいだいねェ!(そうだね)」とか言われて「素で言葉遣いがヤンキーみたいだ……」と思っていましたけど、実は典型的なヤンキーは少ないですよ。

むしろ「チーマー(注・革ジャンなどを着て街にたむろする若者)」が、「前橋まつり」のような大イベントになると、どこからともなく現れる。この前久々に会った元チーマーの友人は、「栃木や茨城はまだ特攻服でヤンキーやってるんさ。オレらは池袋まで行ぐから」って、自慢げでした。

福田 埼玉にもチーマーが多いんだよね。やっぱり栃木県民にとっては、茨城は同列のライバルだけど、群馬はちょっと「格上」な感じなんですよ。

北関東3県の中でも、より東京に近いというか。江戸時代は幕府の天領だったし、県民も「オレたちは将軍さまに絹を献上してたんだ」って思ってそう。

井田 思ってないですよ(笑)。

磯山 でも最近は群馬県がすっかり有名になって……私とU字工事さんも、井田さん原作の映画『お前はまだグンマを知らない』に出させていただいたんですよね。

益子 僕ら二人は、「栃木からグンマに乗り込んだヤンキー軍団の先輩」という役回りでした(笑)。出演者にちゃんと栃木出身者、茨城出身者を集めているから、方言も本物ですよ。

井田ヒロト ありがたい限りです。群馬はここ数年「グンマー」と呼ばれて、いじられているじゃないですか。関東地方の天気予報で、群馬の気温だけ間違って56度になっていたり、「群馬県庁舎」という説明の横に、藁ぶきの小屋の写真が載っていたり(笑)。

マイナーすぎてイメージがないから、「未開の地」として面白がってもらえるんでしょうね。

 

海だけはうらやましい

磯山 東京でも書店に行くと、井田さんの本がかなり置いてあります。

井田ヒロト 出版社からは「累計65万部のうち、4分の1が群馬県内の売り上げ。ちなみに和歌山県での売り上げは100部以下」と聞きました(笑)。

今も高崎に住んでいるので、編集者とは東京と高崎の「中間地点」の赤羽(注・東京都北区。埼玉県との県境)で打ち合わせをしています。

磯山 栃木と群馬は、新幹線で東京まですぐですよね。でも茨城は新幹線がないので、私の実家がある鉾田から東京まで2時間くらいかかるんです。

家から駅まで車で1時間、常磐線で1時間。私は高校2年生でデビューして、しばらく実家から通っていたので、大変でした。

益子 栃木は広いから、県南の人は、「東京なんかいつでも行けっぺよ」って余裕ぶってますけど、県北出身の僕らにとっては、東京は「すげぇ遠い外国みたいなところ」でしたよ。昔は「東京の子はみんなパン食ってる」と思ってた(笑)。

福田 大人になって上京したときも、「何だよ、東京では八王子ってバカにされてるけど、宇都宮より都会じゃねえか」ってビビったなぁ。