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中川淳一郎×適菜収「天気予報にまで怒る人々へ」

博愛のすすめ、を教えよう

鋭い舌鋒で世相を斬る二人、ネットニュース編集者・中川淳一郎氏と哲学者・適菜収氏がなぜ、いま「愛」を語り合うのか!?

中川氏と適菜氏が今の日本に最も必要なことについて語り尽くした『博愛のすすめ』が話題だ。変わらぬ鋭い切り口の発端となる、対談の語り出し箇所を特別公開!

なぜいま「博愛」なのか?

適菜 中川さんと初めて会ったとき、すごく優しい人だと思ったんです。中川さんは博愛主義者だろうなと直感でわかった。「博愛」と言うと、マザー・テレサを思い出す人が多いと思いますが、彼女はキリスト教の枠内にとどまらず、実践家だった。中川さんはマザー・テレサみたいな感じがしました。

中川 それは意外です。オレは結構怖い人間だと思われているんですよ、ネットや書籍での物言いが乱暴だから。「優しい人」というのは外見ですか?

適菜 中身もです。中川さんは基本的にすごく人を立てますよね。相手がどう思っているか常に気にしている。

中川 初めて適菜さんとお会いしたのは、2015年の冬にライブハウス・阿佐ヶ谷ロフトAでイベントをやったとき。適菜さんに飛び入りで参加してもらった。

適菜 あのときは私は完全に酔っ払っていて、なにを喋ったかほとんど覚えていないのですが……。

 

中川 オレはうれしかったんですよ。その7年ぐらい前に人から適菜さんは面白いと聞いていて、本を読んだら面白くて、いつか会いたいと思っていたんです。

阿佐ヶ谷ロフトAに集まっている人たちは、適菜さんを初めて見る人も半分くらいいたと思う。あそこにくるお客さんだから、適菜さんの名前は知っていると思うけど。

その場合、オレは適菜さんに全面的に愛を示すことにより、適菜さんが面白くて、筋がいいということを、お客さんに示す必要があったわけです。

オレはずっと適菜さんのことは好きでしたからね。世間からは嫌われているかもしれないけど、オレは好きだ。

適菜 世間が腐っているなら、世間からは嫌われたほうがいいじゃないですか。

中川 世間から嫌われているのはいいやつですよ。

適菜 腐っているのはお前らだろってね。

中川 そう。

適菜 腐った社会の中で真っ当なことを言えば排除される。精神病院の中では正常な人間が異常になる。世間が腐っているなら、世間から批判されようが、気にする必要はないと思っています。

中川 その通りですよ。

適菜 中川さんは普段も博愛家ですか?

中川 攻撃してこない人には愛で接しています。攻撃してきたら、「このバカたれ!」となりますが。基本合気道なんですよ。こちらから攻撃してもメリットはない。でも、攻撃してくる人はメリットがあるわけです。

相手が殴ってきた場合、正当防衛が成り立ちますよね。だから、喧嘩を売られたという事実がない限り、こちらからは攻撃しないです。

適菜 私は世界中の人々が毎日楽しく暮らすことができる社会がいい社会だと思っている。だから、地上から愛を減らしていく動きに対しては戦闘的なんです。

中川 愛がない連中は大勢いるけど、彼らも自分の仲間に対しては愛を持って接しているはず。だったら、その愛をきちんと確かめ合える関係の中でやればいいんです。オレなんかにかまっている時間はお前もないだろうから、さっさと巣に帰れと言っているんです。