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人口・少子高齢化 ライフ

ルポ「托卵妻」〜もしも子どもが自分以外の子種だったら?

知られざる母子の秘密

3人中2人はセフレの子

「うちの子どもたち3人兄弟なんですけど、一番上は主人の子で2番目は違うんです。セフレの子」

取材で知り合った神奈川在住の人妻(38)が何気なく打ち明けた内容は、ショッキングなものだった。

「3番目の子はいまつきあっているセフレの子です」

この奥さん、細身で品のいいカーディガンが似合い、上の子が通う小学校のPTAで役員を務める賢夫人である。とてもじゃないが、発言内容と表向きの顔とが合致しない。

夫とは恋愛結婚であったが、パートに行っている職場で知り合った上司と不倫、妊娠した。

「そのときたまに主人ともしていたから、妊娠したときはどっちの子なのかわからなかったんです。でもどちらでも生まれたらわたしの子には違いないんだからって思って」

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出産した。

夫人だけが直感でわかった。

上司の子だということが。

さらにこの後、他の会社で働き出すと、ここでも不倫、男児を出産した。

長男以外はすべて夫以外の子ということになる。

私が気になることを質問してみた。

「御主人はこのことをどこまで知ってるんですか?」

「自分の子だと信じてますよ」

ディズニーランドに家族旅行したときの写真を見せてもらった。幸せそうな5人家族が微笑んでいる。

夫のDNAを受け継いでいる長男は小太りで体型も丸顔も夫に似ているが、下の2人は小太りなのは似ているが、顔つきはかなり異なる。下の子2人は母親に似た、と言えなくもない。

「わたしが好きになるタイプというのが、ぽっちゃりタイプで血液型もB型なんですよ。気が合うの。夫もB型だし、血液型調べられてもバレない」

「万が一、DNA鑑定を求められたとしたら?」

「そのときはそのとき。でも普通しないでしょう」

 

親子鑑定や事件捜査に用いられるDNA鑑定はここ最近急激に精密性を増してきた。

DNAは生物の遺伝子であり、遺伝子情報を塩基によって親から子に伝える。このとき、塩基の配列などによって遺伝が決まりる。この特徴をいかして1人の人物を特定できるようになった。二昔前までは、DNA鑑定の精度は1000人に1人程度の低精度だったものが、現在は4兆7000億人に1人という高い鑑定精度になった。地球上の人口が72億人だから確率的には限りなく100パーセントに近い。

親子関係の鑑定もDNAが用いられるようになった。

先の夫人は打ち明けた。

「わたしが産んだ子は、あくまでも”自分の子ども”という受け止め方であって、だれの子ども?というものではないんです。だから種は夫でもセフレでもこだわらない。罪悪感? まったく」