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不正・事件・犯罪 鉄道 週刊現代

JR上野駅「痴漢転落死」は超一流ホテルの支配人だった

遺族と同僚が語る「無念」

痴漢は卑劣な犯罪である。だが、痴漢の告発には「冤罪」の可能性もつきまとう。無実を主張しながら命を落とした男性は、職場にも家族にも愛されていた。事件の深層をリポートする。

「あの人がやるはずがない」

「支配人はいつ休んでいるのかと周囲が心配するくらい仕事をされていました。深夜に海外からのお客様から問い合わせのメールがそれこそ山のように来るのですが、そのすべてに丁寧に対応していたんです。

日中は専任のスタッフがいるのですが、早朝や深夜などのイレギュラーな時間帯の海外からの問い合わせには、即対応する必要があるため支配人が自ら受け持っておられました。

成田空港からのアクセスや食事のこと、部屋の調度品、旅行プランやその他の本当に細かなことまで応対されます。とても責任感が強く信頼できる先輩です。

ですから、今回の一件がいまだに信じられません。支配人が痴漢をするだなんて天地がひっくりかえってもありえません」

都心に位置する、ある超一流ホテルの従業員は、苦渋に満ちた表情でそう明かす。

 

5月11日深夜、JR京浜東北線の車内で痴漢を疑われた40代の男性が、JR上野駅の駅員室から逃走し、近くのビルの屋上から転落死した。

本誌の取材によると、この男性は前出の超一流ホテルの支配人、岡田裕太さん(仮名)だった。

「岡田さんが支配人を務めていたホテルは、『ミシュランガイド東京』にも掲載されている日本を代表する高級ホテルの一つです。部屋数はそこまで多くありませんが、きめこまやかなサービスが受けられて、一泊5万円前後はします。そのため、特に海外の富裕層からも人気があります。

岡田さんは、同ホテルのインバウンド(外国人観光客)向けのビジネスにおけるリーダーであり、実質的な舵取り役でした。

それだけに社内的にも将来をとても期待されていましたし、今後の同ホテルの命運を握っていたと言っても決して言い過ぎではありません。

ホテルマンは、どうしてもお客様に対して無理をしているから、それ以外では横柄な方もいるんです。でも、岡田さんはいつお会いしても爽やかで、笑みを絶やさない方でした」(別のホテルグループ幹部)

ホテル関係者は誰もが、岡田さんは「痴漢をするような人ではない」と口を揃える。
いったいあの夜に何があったのだろうか。なぜ岡田さんは落命しなければならなかったのか。

あらためて事件当日を振り返ろう。

京浜東北線の上り電車が西日暮里-日暮里間を走行中の車内でのこと。捜査関係者によれば、30代の女性が座席で寝ていたところ、まったく面識のない、隣に座る岡田さんに右手を触られたと被害を訴えたのだという。

「なんで手を触ったんですか?」

「触っていない!」