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「科学の力」で痴漢をなくす、驚きの方法

あなたは「痴漢外来」をご存じですか
原田 隆之 プロフィール
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いくつか対策はあるが…

だとすると、どのような対策が考えられるだろうか。

1つは、満員電車対策である。東京都の小池百合子都知事は、「満員電車ゼロ」を公約に掲げ、「満員電車は当たり前だと思っておられる。そこは意識改革、制度、色々なイノベーションを図っていくべき」と述べて、関係機関との連携を推進している。

当然ながら満員電車がなくなれば、電車内の痴漢はほぼ根絶できるだろう。しかし、痴漢は電車内だけで起こっているわけではないし、満員電車ゼロは一朝一夕でどうにかなるような簡単な問題ではない。

次に、被害者側の対策(自衛策)も考えられる。以前、埼玉県警の鉄道警察隊が「痴漢撃退シール」なるものを配布したことが話題になった。「さわらないで」などと書かれたシールを痴漢被害に遭った際に、相手の手や腕に貼ると皮膚にインクが転写されて「証拠」になるという。

それに対し、「痴漢でっち上げに悪用される」などの心配の声も上がったが、被害に遭っても声を上げにくい女性の一助になることは確かだろう。

また、類似の試みとして、一般社団法人痴漢抑止活動センターは、「痴漢抑止バッジ」を考案している。「痴漢は犯罪です」「私たちは泣き寝入りしません」などと書かれたバッジを身につけることで、被害を未然に防ごうというものだ。

2015年からクラウドファンディングで資金を募ったところ、約3ヵ月間で200万円を超える資金が調達できたという。

確かに痴漢は、おとなしそうで声を上げにくそうな女性を物色してターゲットを絞っているのは事実であり、このようなバッジを身につけている女性は、被害に遭う確率が相当下がることが予想される。

その一方で、このバッジですら恥ずかしいと思う女性に対しては、当然のことながら抑止力はない。

このように、さまざまな人々があれこれと痴漢対策に知恵を絞っているが、その一方で痴漢自体は一向に減少する気配がない。

 

その中で、今日もどこかで誰かが被害に遭っているし、線路上を男性が走っているかもしれない。これだけ大きな被害を生み、社会の混乱を招いている問題であることは確かなのだから、社会は本腰を入れて痴漢対策に乗り出さないといけない。

とはいえ、このような「日本型の性犯罪」に対し、上に紹介したような対策だけではやはり不十分である。これらの対策に決定的に欠けているのは、性犯罪者本人に対する「治療」である。

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