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「科学の力」で痴漢をなくす、驚きの方法

あなたは「痴漢外来」をご存じですか
原田 隆之 プロフィール
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痴漢が大量発生する背景

国土交通省が、首都圏、中京圏、近畿圏の三大都市圏における鉄道・バス等の大量公共輸送機関の利用実態を調査した「大都市交通センサス」によれば、鉄道での通勤・通学者数(定期券利用者数)は、首都圏約800万人、中京圏約70万人、近畿圏約250万人となっている。

つまり、三大都市圏だけで1,000万人以上が通勤・通学の大移動をしている実態がある。しかも、通勤所要時間の平均は約60分であり、徒歩区間を差し引いても数十分という決して短くはない時間、満員電車に詰め込まれているということがわかる。

女性の社会進出に伴い、当然のことながら多くの女性が通学・通勤をしており、その結果、異性を含む赤の他人と、日常では考えられないくらい身体を密着させた状態で長時間を過ごすことになるのだから、そこに痴漢という犯罪の土壌があることは言うまでもない。

〔PHOTO〕iStock

ところで、この話をすると多くの人は驚くのだが、痴漢はわが国特有の犯罪と言っても過言ではない。海外の論文では「日本にはchikanという犯罪があり、年間約5,000人が逮捕されている」ということが、驚きをもって報告されている。

これは1つには、今述べたとおり、1,000万人もの人が満員電車で毎日長時間かけて通勤しているというわが国特有の事情が大きい。さらに、日本の女性は被害を受けても、声を上げることがまれで、ほとんどは泣き寝入りしているという事情があり、そうした日本女性の弱みにつけこんだ犯罪が痴漢だと言える。

 

例えば、警察庁が東京、大阪、名古屋の三大都市圏に住む女性約2,000人を対象に調査したところ、痴漢の被害体験があると答えた人は約14%いたが、そのうちの80%が「我慢した」「その場から逃げた」と回答しており、「通報した」との回答はわずか2.6%しかなかった。その理由としては、「恥ずかしかったから」「怖くて何もできなかったから」と答えている。

このように、そもそもこれだけの過酷な満員電車での通学、通勤という世界でも稀な状況であることに加え、日本人女性のおとなしさや控え目な特徴が相まって、日本特有の犯罪である痴漢事件が大量に発生しているのである。

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