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アメリカ 北朝鮮

徐々に現実味を帯びる、韓国・北朝鮮「半島連合」誕生という悪夢

この「見たくない現実」を直視せよ

南北朝鮮連合という悪夢

今週は朝鮮半島情勢について、日本が「見たくない真実」を書こう。いま北朝鮮の金正恩・最高指導者は追い詰められているどころか、実は高笑いしているのではないか。自分を取り巻く環境がガラッと変わってしまったからだ。

最初に断っておくが、私は金正恩の肩を持つ気はさらさらない。だが、見たくない事実は見ないという態度では、そこらの左翼と同じになってしまう。だから、客観的に事態を眺め、検証しておきたい。

まずは韓国だ。親北容共路線の文在寅(ムン・ジェイン)政権が誕生した。日本で言えば官房長官に当たる大統領秘書室長に任命されたのは、任鍾晳(イム・ジョンソク)氏である。任氏は文大統領に勝るとも劣らない親北派として知られている。

任氏はかつて親北・学生運動組織の議長を務め、北朝鮮がソウル五輪に対抗して開いた世界青年学生祝典(左翼版ユニバーシアード)に女子学生を送り込んだ。日本で言えば、全学連が学生代表を送ったようなものだ。当然、北朝鮮は宣伝活動に利用した。

この事件は韓国で騒ぎになり、任氏は指名手配された。結局、逮捕収監されたが、その後、親北の金大中政権が誕生すると、選挙に出馬して国会議員に当選する。日本にも似たような政治家がいそうだが、こちらのほうが筋金入りだろう。

そんな任氏を政権の要に登用したのは文政権の親北容共路線は妥協の余地がない、正真正銘の左派路線であることを示している。

 

その兆しは早くも表れた。文政権は5月30日、超高高度防衛ミサイル(THAAD)の追加配備問題を徹底調査する方針をあきらかにした。

これはどういう事件かというと、朴槿恵・前政権で配備が決まったTHAADの発射台を韓国はまず2基、受け入れた。

THAAD配備自体が親北政権の成立を見越して米韓が急いで進めた話だったが、韓国は続けて4基の発射台を国防省が大統領に報告しないまま追加搬入していた、という問題である。真相は不明だが、政権側は「搬入の決定や経緯を徹底調査する」と言っている。

文大統領はもともとTHAADについて否定的だった。選挙戦では軌道修正を匂わせる発言もあったが、政権の座に就いて本心を隠さなくなったのか。韓国がTHAADを配備しなければ、喜ぶのは北朝鮮と中国だ。これが1点。

THAAD問題のもっと重要な意味は、大統領が国防省に対する監視を強化し始めた点である。つまり「オレは軍が勝手に動くのを許さない。全部オレに報告しないとひどいことになるぞ」と脅しているのだ。これがどんな意味を持つか、後でもう一度触れる。

文政権は最終的に何を目指しているのか。

朝鮮問題に詳しい西岡力・麗澤大学客員教授は私が司会を務めるテレビ番組『ニュース女子』(TOKYO MXなど)で「政権は親日・保守派を一掃したうえで北朝鮮との連邦制、国家連合を目指すだろう」との見方を披露した。

韓国と北朝鮮が統一するような事態になったら、日本にとっては悪夢以外の何物でもない。韓国が北朝鮮という怖いヤクザを雇ったような話になる。相手は完成した核兵器とミサイルで日本を脅すかもしれない。