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最新調査が明らかにした、日本経済にとっての「いいニュース」

企業経営者のマインドに変化の兆し!

企業の予想インフレ率も大きく改善

日本経済新聞が毎年この時期に発表している「設備投資動向調査」において、2017年度の設備投資が前年度比で13.6%の増加(国内は同13.7%増とのこと)という結果になった。2016年度実績は同3.8%減だったので、様変わりである。

これはあくまでも「計画」なので、必ず実施されるという保証はないが、今年度、多くの企業が設備投資に対して前向きになってきたことを示すポジティブなニュースであることは間違いない。

言うまでもなく、企業の設備投資は、企業経営者が抱く自社の将来の業績予想や将来の経済環境の評価に依存している。その意味で、2017年度の国内設備投資が前年度比13.7%増と急拡大したということは、企業経営者の将来の収益環境に対するマインドが好転した可能性が高い。

 

これは、これまでの企業行動関連指標の推移にも現れている。筆者は個人的に、日銀短観の製商品の販売価格判断DIを重用している。企業にとって、自社の販売する財・サービスの価格をどのように設定するかは、企業収益に大きな影響をもたらすと思われるためだ。

そして、筆者は、この「製商品の販売価格判断DI」の構成比(翌四半期に自社の提供する財・サービスの価格を①引き上げる、②変えない、③引き下げる、の3択のそれぞれの構成比)から、「カールソン・パーキン法」という統計的手法を用いて企業の販売価格ベースでの「予想インフレ率」を算出しているが、この予想インフレ率が、直近(2017年3月時点)の短観において、「-0.89%」となった。

依然としてマイナスではあるが、過去の水準と比較するとかなり高い位置にあることがわかる(図表1)。2000年以降、今回とほぼ同水準だった局面は、2008年、2014~2015年半ばくらいであった。

また、この「予想インフレ率」は、2013年4-6月期から2014年4-6月期までは順調に上昇していたが、その後、ピークアウトし、2015年7-9月期以降はマイナス幅を拡大させてきた。これが、2016年10-12月期以降、マイナス幅を縮小させ、2017年1-3月期に大きく改善した。

このように、2016年10-12月期から企業の予想インフレ率がマイナス幅を縮小させた理由は、「トランプ旋風」による円安など、いくつかあるだろう。だが、なんだかんだ批判を浴びながらも、持続的に緩和スタンスを維持してきた金融政策の効果がタイムラグをもって発現してきた可能性もある。