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格差・貧困 経済・財政 ライフ

高スペック女子でなくとも「神客」を引けば食っていける夜職の醍醐味

オンナの収支報告書【22】

鈴木涼美さんが独自の人脈を駆使してオンナのお金の稼ぎ方・使い方の実態を取材・考察する本連載。今回は顔・乳・接客態度・スタイルが良い訳ではないけど異常に太客を引く確率が高いデリヘル嬢さんの快適な風俗ライフをお届けします。

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「中の下」以下でも稼げる

格安デリヘル店勤務の女性なんかを扱ったいわゆる「貧困女子〜風俗版〜」のルポの枕詞がやや気になる。

大抵「風俗なら誰でも稼げるというのはもはや過去の常識」とか「今や風俗ですら稼げない時代」という小見出しがあるのだけれど、別にそんな状況は今始まったわけでもなく、古くは遊郭の時代から鉄砲女郎なんていう言葉があって、下級遊女の劣悪な環境を描いた作品はいくつか思い当たる。

 

月に300万円稼ぐことは不可能に近いが月に40万は確実に稼げて社会的な信用が高く、有給や賞与に加えて病気や怪我で休んだとしてもある程度生活が保証されるのが昼職固定給の大きな魅力だとすれば、300万円以上稼げる可能性もあるのが自由業、特に夜職の大きな魅力であり、それは別に今も昔もそれほど大きく変わらない。

300万円稼いでいる人はいる。ただし、当たり前だが月収がゼロ万円とならない保証はどこにもないというのが、そもそも夜職が内包するリスクだ。「月収15万円の風俗嬢」というような貧困クローズアップにあまり意外性がないのは、それが夜職の職としての性質が元から想定している存在だからである。

景気がいい時もあれば悪い時もあり、景気のいい人もいれば悪い人もいる。まず自由出勤をうたう風俗店も多い中で、ちゃんと出勤して客を取らなければ収入が少ないのは当たり前で、病気や怪我で1ヵ月自宅療養すれば月収ゼロ円になる。これは何の保証もなく働く者の宿命である。

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ただ、厳しい現実を焦点化した特集などが流行している一方で、「いやーこれだから風俗はやめらんねぇ」というおいしい話もまた結構転がっている。若い女性が風俗で高額を稼げる可能性は今もそれなりに高い。そしてそれは何も、美人でスタイルがよく接客もピカイチなんていう高スペック嬢に限るわけではない。

顔・乳・接客技術(愛想がいいとか精神的に安定しているとかいう内面スペック)・スタイル(デブじゃないとかモデル体型であるとか)のうち、2つが平均点以上であればかなり高額な稼ぎが期待できると言われる業界ではあるが、どれも平均点に満たなかったり、さらにどれか1つが平均を大きく下回ったりする場合でも、うまく稼いでいる女性は結構いる。

そういった「中の下」以下のスペックの女の子は、1本のバックが5万円以上の高級店に在籍することはあまりないわけだが、時に高級店よりも「高額稼げている子」というのは一定数いて、大体が2類型に分かれる。

片方は、とにかく労働量が多い働き虫タイプで、客単価が比較的低い分客の入りが良い店に月に25日出勤などして本数で稼いでいる子である。私の知人の中では、すすき野の60分の手取りが1万円のソープで200万〜240万円稼いでいた子がその手の覇者である。

もちろん、数で単価を凌駕するわけであるからあそこが強い(痛くならない体質)であるとか、陸上で鍛えた体力が強靭であるとかいう能力が大きく影響する。

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もう片方のタイプが、「太客」「良客」に恵まれた1本釣りタイプである。働き虫タイプの子の稼ぎが、店自体が暇であったり季節がよくなかったりという環境に左右されがちなのに対し、1本釣りタイプはそういった環境にあまり左右されない。

もちろん、強靭な肉体を持っている必要もない。運も大きいし、客を育てる能力も大きいだろうが、何というか本人すら意識しないのにそういった良い客にめぐりあって最大限のお金を引き出す性質というのが揃った子もいる。

知り合いの25歳の女の子で、西川口のソープに出稼ぎ中にほぼ毎日店に通ってくれる(しかもプレイ無しで話すだけという日が半分以上)上に休日はエッチなし10万円でデートする客を掴んだ子がいるが、彼女もまたものすごく可愛いわけでもものすごく客あしらいがうまそうなわけでもなく、本人も「たまたま〜」なんて言う。

また、私が半年ほど在籍したことがあるキャバクラF店でも、特に人気があるわけではない女の子の客で、週に1回きっかり50万円だけ使っていく人がおり、その人からの売り上げだけで彼女は高額時給に耐えうる売り上げがあった。

 
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