学校・教育 子育て

子どもを伸ばす「ほめ方」とダメにする「ほめ方」は大違い!

世代間連鎖を防ぐ子育て論(3)
信田 さよ子 プロフィール

「ママは、結果を評価し、結果を出した私をほめている」とすぐわかってしまいます。一生懸命やるだけではだめで、結果を出さなければほめてもらえないこともすぐに理解します。

もちろん、この両方をほめる親もいると思います。がんばりや一生懸命さをほめ、結果が出たらそのこともほめるというように。

しかし前者のように、結果を伴わなくてもその姿勢やプロセスの取り組み方をほめることは、それほどやさしくありません。

親自身が受験にしろ、勉強にしろ、運動にしろ、結果にこだわっていれば、やはりほめ方にもそれは表れてしまうものです。

「結果がすべて」の世界

カウンセリングで出会う多くの人たちは、中学校や高校まで水泳や剣道といったスポーツで将来を嘱望されたのに、けがやアクシデント、そのほかさまざまな理由から一流選手になることができなかったという経験を持っています。

 

中には超名門の中学校に合格したのに、その後成績が伸びず、不登校になった人もいます。

エミコさんは、4歳から水泳教室に通いました。水遊びはもちろん、水の中にいると、陸の上で靴を履いているときより自由になれる気がして、楽しくてたまらなかったのです。

小学校3年のころには、近隣でも名門と呼ばれるスイミングスクールに通うようになり、なぜか「将来の夢はオリンピック選手」と言うようになっていました。

3歳下の弟も泳ぎが速く、近所では水泳一家と呼ばれるような家庭でした。それというのも、父親が国体に出場経験のある水泳選手だったからです。

当時は日本の企業が有望な水泳選手を何人も抱え込むことが珍しくなく、エミコさんの父は大企業に就職することができました。

両親の夢は、自分たちの子どもが水泳選手として国体を超える大きな大会に出場すること、できればオリンピックの舞台でメダルを獲得することでした。

小学校6年まではエミコさんのタイムは県大会でも注目されるほどでしたが、中学校に入ってからそれが止まってしまいました。

体重も増え、体型も変わり、エミコさん自身がなんのために泳ぐのかがわからなくなってしまったのです。

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プールと学校以外にも世界はあるはずだ、もっとふつうの中学校生活を送りたい、そう考えながら、でもそれを父親に主張することなどできませんでした。

エミコさんは、原因不明の体調不良からドクターストップがかかり、3ヵ月間休学することになりました。

これで大手を振って水泳から離れられる、そう思うとどこかほっとしました。ところが、それからは別の地獄が始まりました。

両親の関心は弟に一極集中し、エミコさんは、まるで「いない者」のように扱われるようになったのです。

両親はエミコさんが居間にいても目もくれず、ごはんをつくってもエミコさんがどれだけ食べたのかを気にもとめない。エミコさんが何時に寝て何時に起きたか、両親にとってはそれもどうでもいいことでした。

弟はあからさまにエミコさんを下に見て、その視線のはしばしに侮蔑を浮かべるのでした。