政治政策 選挙

菅官房長官・2000人集結パーティーで見た「絶頂」と「内憂」

喉元にひっかかる、横浜市長選という骨

菅氏を絶賛する面々

「こんなに人に寄り添える方はいません。横浜市民の暮らしぶりもご存じなんです。こんな素晴らしい官房長官はもう出ないかもしれない」

5月20日、<すが義偉 春の集い>に招かれ、主催者である菅義偉・官房長官を絶賛したのは林文子・横浜市長。正式に出馬表明していないものの、7月30日に投開票が行われる横浜市長選挙に出馬すれば、「3選」が確実視されている。菅氏の地元・みなとみらいのホテルでのパーティーに招かれた彼女は、自分の存在感をアピールしながらも、菅氏を礼賛することを忘れなかった。

誰もが認める安倍晋三総理の懐刀・菅官房長官主催の会ということだけあり、会場には2000人ほどの後援者が集結し、立錐の余地もない。駆けつけた島村大・参議院議員は、「昨年7月で、(官房長官)在任期間は1位となりました。官房長官には変わらず仕事をしていただきたい」とその手腕を絶賛、次にマイクを握った三原じゅん子参議院議員も「菅官房長はさすが、の一言に尽きますね」と持ち上げた。

登壇者が菅氏を褒め称える度、会場から即座に、「そうだ!」「その通り!」と威勢のいい掛け声が上がり、熱気を帯びていく。

 

そして、パーティーの最後に菅氏が挨拶に立つと、会場から万雷の拍手が沸き起こった。

「内閣制度が始まって以来、最も長い官房長官になった。ただ政治家はどんな役職に付いたとか長く(ポストに)就任しているか、ではない。何を成し遂げたのか。日々、自分自身を戒めながら、日本の安全・安心のために取り組んでいきます」

森・小泉内閣で官房長官を務めた福田康夫氏を抜き、菅氏はいま、官房長官在任歴が歴代単独1位となっている。人事権、人脈を駆使し、霞ヶ関を掌握、安倍政権を支えてきたという自負もあろう。森友学園や加計学園に関する問題が噴出し、安倍政権の綻びも見えているが、

「色々なことが沸いてくるというか、降ってくる。しかし、これが国家権力なんです。ものすごい重圧がかかります。ですが、誰か支える人間がいなければ前に進まないのです」

と余裕すら感じさせた。会も終盤に近付くと、菅氏は6月25日投開票の横須賀市長選の候補者である上地克明氏を「上地雄輔さんのお父さん」と紹介、「雄輔のパパではなく、私の倅が雄輔なんです」と上地氏が挨拶し、会場内を沸かせた。その後、菅氏は最後の一人まで見送り、再び官邸へと戻っていった。

さて、多忙を極める官房長官が、半日をかけて来場者をもてなしたこの会。自身の絶頂を示すこともひとつの目的だったのだろうが、本当の狙いは別のところにあった。

実は、この会、<すが義偉 春の集い>という題目の前に、「林文子さんを囲む」とあるように、主役は林文子・横浜市長の方であったのだ。3選出馬への決意をなかなか表明しない林市長に、菅氏がプレッシャーをかける…そんな意図がこの会にはあったのではないか、と筆者は推測している。