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グーグルやアップルも警戒? トランプがIT産業にかける圧力

決して言動に振り回されるな!

世界で起こる同時多発的な大変化

イタリアでのG7サミットが閉幕したが、今回初参加だったドナルド・トランプが米国大統領に就任してから5ヵ月余りが過ぎた。

ファースト・ハンドレッド・デイズ(最初の100日)が終わった4月末のタイミングでは、特にこれといった評価ポイントもあげられぬまま、ギャラップの調査による支持率は就任時からさらに下落して38%と、40%を割り込んだ。

さらに、ジェームズ・コミー前FBI長官の解任は大きな波紋を呼び、大統領選挙時の民主党へのサイバー攻撃の裏にトランプ陣営とロシアとの関係があったのではないかという疑惑は深まる一方だ。

本件の徹底解明に向けてロバート・モラー元FBI長官が特別検察官に任命された。トランプはあくまでも強気の姿勢を崩さないが、ジョン・ブレナン前CIA長官も疑惑を肯定する証言をしており、民主党サイドはトランプ大統領の弾劾を求めている。

 

先の見通しが効かない現代は、「VUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)の時代」ともいわれる。政治面でも経済面でも、世界中で同時多発的な大変化が加速して進行中だが、ここのところ、フランス大統領選挙でマリーヌ・ル・ペンが敗れるなど、極端な変化に対する一服感も出ている。

そんな中、今回は、トランプ政権のハイテク産業に対する影響という視点で、総論的な整理をしてみたい。まず、トランプのような人物が米国大統領になった背景について、大局的に押さえておきたい。

ドナルド・トランプ〔PHOTO〕gettyimages

人口爆発と超高齢化

現在、人類が直面する最大の問題は人口爆発だ。地球の人口が10億に到達したのは1800年代の初頭とされるが、それからわずか200年余りで7倍以上に膨れ上がり、74億となった。

これが2050年には90億を超えて100億近くになると予測されている。人口爆発に加えて、先進国では超高齢化が進んでいる。一説では、やはり2050年には先進国の平均寿命が100歳前後になるともいわれる。

この人口爆発問題を根底に、これからの人類は地球規模でのさまざまな難題に立ち向かっていかねばならない。人口が増えれば食糧や飲料水が枯渇し、エネルギーも足りなくなる。環境破壊や汚染が進み、地球はますます住みにくくなっていく。

「アメリカファースト」を声高に叫ぶきわめて自己中心的な人物が米国大統領になったのは、有限である地球の資源の奪い合いがこれから本格化していく予兆であるとも感じる。

同時に、現在の地球規模のVUCAを推進する最大のエンジンはテクノロジーの驚異的な進化だ。

インターネットの普及と共に、オープンソースやオープンイノベーションなどを通じてテクノロジーの民主化や大衆化が一気に進み、巨額の開発費を必要とするような技術が次々と広く世間に開放されて、一般人でも最先端の技術を手軽に利用できるようになった。グーグルの人工知能ライブラリー「テンサーフロー」などはその典型だ。