エリザベス女王とフィリップ殿下〔PHOTO〕gettyimages
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英国王室の「公務引き継ぎ」から見える、日本の皇室の「ある問題」

眞子さまのご公務は、どうなるのか…?

95歳エディンバラ老公の「引退」

2017年5月4日、バッキンガム宮殿がひとつの重大な発表を行った。エリザベス女王の夫君エディンバラ公爵フィリップ殿下が今秋から公務を大幅に減らし、事実上の「引退」に向かうとのことである。

6月10日で満96歳というご高齢は、イギリス史上の男性王族では最長寿記録を更新中のものとなる。しかしこの報に接した多くの人々は、老公の年齢もさることながら、その公務の膨大さにむしろ驚いたのではないだろうか。

昨年度に95歳の老公が果たした公務は219件に及ぶ。さらに、老公が名誉会長や名誉総裁といった「パトロン(後援者)」を務める団体の数は、福祉、医療、教育、学術・芸術の振興、環境保護、そして陸海空軍などあわせて780以上にのぼる。

しかもこの役職は、決して「お飾り」などではないのだ。

 

今から4年前の2013年4月26日、老公はハンプシャー(イングランド南部)の空港からカナダのトロントに向けて飛び立った。翌27日に老公が連隊長を務める王立カナダ連隊に新しい軍旗を手渡すためである。

任務を無事に終えた老公は、28日に今度は逆の経路でハンプシャーの空港へと引き返し、30日にはウィンザー城で国賓として訪英したアラブ首長国連邦のハリファ大統領(アブダビ首長)を女王とともに出迎え、宮中午餐会に臨んだ。海軍元帥の制服に身を包む91歳の老公の表情には「疲れ」など微塵も感じられなかった。

これはごく一例に過ぎない。96歳という年齢は、そこまで長生きできる人は稀であるし、普通の人間であればとうの昔に引退し、悠々自適の余生を過ごしているはずである。

ところが、エディンバラ老公は議会の開会式やバッキンガム宮殿での園遊会など各種行事で、これまた91歳とご高齢のエリザベス女王とともに儀式を取り仕切っておられるとともに、単独での公務もまさに「はしご」の状態で、1日の間に次から次へとこなしておられるのだ。まさに「超人」と言っても過言ではなかろう。

しかしその「超人」にも「引退」の時機が訪れてしまった。思えば、老公よりひと回り(12歳)年下の天皇陛下も、昨年8月に「お気持ち」を表明され、近年中には皇太子殿下への譲位を望まれた。

2013年にはオランダのベアトリクス女王(4月)とベルギーのアルベール国王(7月)、2014年にはスペインのフアン・カルロス国王(6月)がそれぞれの事情で退位されている。いずれの君主も70歳代後半であられた。

また2016年1月には、老公より一足早く、デンマークのマルグレーテ女王の夫君ヘンリク殿下が81歳で公務からの「引退」を表明している。

日本に限らず、欧州各国の王室でも、君主とその配偶者の高齢化にともない、退位や引退といった事例が相次いでいる。